第三部には溜まってる「暇話」結構入るけどOKですかね?
なんで、「暇話」かと言うと、そこにはNYでひたすら戦ってた番組の中の僕の生活とは別で、
ささやかだけど、僕にとって尊い暖かな触れ合いや、ほんわかしたトラブル、
そう言うのが「暇話」にはあるんです。
ほとんどがカメラ外のエピソードで、番組でOAされてないと思うんですよ。
East Villageでちょっぴり噂になってるCrazyなDesigner。
彼は日本のリアリティーTV Programの「ファッションデザイナーオーディション」で優勝し、
この摩天楼煌めくNYで、自分のピンク色のSHOPをオープンさせた。
しかし、彼はTV番組をバックに派手に店をオープンするでもなく、
オープン前は大工さん達と共に、店のペンキ塗りをし、フライヤーを配ったり、
Open&Closeの立て看板は拾って来たらしい。
ある時はトラックに積まれたちょっとボロいアンティーク風ピンクのソファに執着して、
トラックを呼び止め、かなり値切って買ったらしい。
そんな風に貧乏商売をやっている。
来る日も来る日もその店で服を売り、
その服はと言うと、自分で生地屋街にチャリンコで出掛けて仕入れ、そしてお店が終わってアパートメントに帰って自分で縫ってると言う。
その名をみんなGOと呼ぶ。
………………………………………………
「それが、あんたよ。」
ある日、散歩がてら店に寄ってくれたチャリンコ仲間で、デザイナーのジュディが言った。
ブラッドも頷いてるし。
(まぁ、そこまで貧乏商売ではないと思うんだけど…)
オレは心の中で思った。
「けどね、そんな貧乏商売を頑張ってるあんただから、
East Villageの商売人達はみんな、あんたに好意的よ。
あんたが、いきなりTV番組の力でド派手に店やってたら、それはなかったわ。」
(…と、とりあえずミッドタウンのオレが住んでるセレブアパートメントの事は言わないでおこう。
Hanna達にも口止めしておかなきゃ…)
ジュディはアトリエ兼、住まいなんだけど、そこに別に恋人でもなんでもない男の人とアパートメントをシェアしてるんだ。
ちょうど、オレがSくんと住んでた時や、みんなで共同生活してた時みたいに。
いや、あれよりももっと狭かった。
ちっちゃな2Kくらいの部屋。
その一部屋にジュディのデッカい工業用ミシンや道具、ベッドや生活用具があるのだ。
でもなんか、めっちゃ可愛い部屋だった。
実際、マンハッタンは家賃が高いから、地方から出て来たアーティスト達は、
赤の他人とシェアして住んでる人が多い。
結構、普通に普通だ。
それか、マンハッタンから出て、
ブロンクスやブルックリン、クイーンズに住むかだ。
オレ、絶対自分のアパートメントの事バレちゃいけないや…
と言うか、ジュディが教えてくれた噂は真実で、誇張ではないし、その言葉通りではあるんだけど、
なんか凄い噂だ。 (^_^;)
実際にビレッジのみんな、優しかった。
ビレッジにとあるお店があった。
ビレッジ界隈のドン的な、結構年齢的にも大先輩の白人の女性が経営してる、オーダーメイドのパーティードレスを創ってる店。
アリスやリナによると、その女性デザイナーは、
かなり怖いらしい。
目を付けられたら大変よ、と…
見た目もかなりケバ…、いや派手で大阪の実家近くにある、歌声スナックのママ風をアメリカナイズした感じの人だった。
しかし、その女性デザイナーがオレの店にちょくちょく顔を出してくれて
フリフリのクラシカル・パンクのシャツをべた褒めしてくれたり、
自分で全部縫ってるのね、偉いわ!あなた!
みたいに励ましてくれたりするの。
「GO、あんた頑張りや!」的な言葉を掛けてくれたりするの。
それ言ったら、アリスはびっくりしてたよ。
アリスやリナは基本、その人には近付かない。 (≧∇≦)
あれはきっとこの噂のおかげだ。
ジュディの話を聞いて確信した。
オレは噂の元はアリスだと思うねんけど。 (^-^)
ブラッドはオレの店に入り浸りで、他の店の人達とあんまり接触ないみたいだったから、違うと思う。
アリス、優しいから。
そっから、いろんな優しい人達に噂が連鎖して行って
ちょっと大袈裟に拡がって行ったんだと思うねん。
本当にビレッジは優しい街だった…
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