あれから、15年。(26) | 泣き虫デザイナーのニューヨーク奮闘記、 のその後、それからの ご あきうえ

泣き虫デザイナーのニューヨーク奮闘記、 のその後、それからの ご あきうえ

ファッションデザイナー「GO AKIUE(ごあきうえ)」のブログです。
I am a fashion designer.
Creating clothes is my passion. I've designed clothes and accessories for actors, singers, and other media personalities.


「あれから、15年。(26)」



今回は創る量が多いのと、SHOPオープンまでかなりタイトなので、簡単なデザイン画をある程度先におこした。

マンハッタンの生地屋はオーディション中にある程度、知らず知らずに網羅してた。

Times Squareのあそこにあんな生地がある、Canalにはこんなんがある…
なんか、知らん間に生地屋それぞれの方向性をこの頃は把握してた。

簡単にデザインアイデアをスケッチした後、それぞれの生地屋街に行って

「May I have a Fabric swatche, please?」

オーディション中は一点物の作品なんで多少の素材のロスはあまり気にしなかったけど
今回は型数と体数が違う。
ひとつの店をオレの作品=商品で埋めないといけないのだ。

この頃、Times Squareでもcanalでも生地屋さんではオレ結構、顔がある程度効く様になってた。
オーディション中、何度も何度も生地屋街に行くうちに
なんでNYに来たん?って聞かれるから
「日本のTV番組のオーディションで来たのさ!」って言ってたから、結構物珍しさで覚えられてたみたい。


と、言うかね、ほとんど
ぜーんぶ単語並べただけのボディランゲージだよ! (≧∇≦)

一度、プロデューサーのTさんに言われた事がある。
「GOくんみたいな人見知りしない性格は、なんでもジェスチャーで意思が通じちゃうから、逆に単語以外の言葉を覚えないんだよね」

今思うと本当にごもっともです。
単語だけで、八百屋さんで茄子をまけて貰ったり
時にはイタリアンマフィアの子孫の方々が経営してるハドソン川沿いの倉庫街にある
精肉問屋に一人で行って、冷凍室の中からアメリカではあんまり人気のない霜降り牛を買ったりしてた。
肉選びに冷凍室におじさんと一緒に入って行った時は、ちょっと閉じ込められたらどうしよ☆とか思ったけど、
無事に、全部ジェスチャーでやってた。
だから、食生活に限っては餓死したりたぶんしない。
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これが、ジェスチャーとか恥ずかしがったりして通じない性格だと
生きる為に、命の源の食を得る為に言葉を覚えるんだと思う。

今、本当にプロデューサーさんが言った事、身に染みてわかります…

オレは小学生の頃から、英語の家庭教師を付けて貰っててんけど、
発音をかなり褒められた。
そして、小学生英語だからそんなにレベルも高くなくて単語以外は
教えて貰った事を「知ったかぶり」でやり過ごしてたんだよね…
そして、遅れて習った妹にすぐ追い越された…
正直に言うと、当時は語学に興味がなかったの。
そしてもっと遊びに行きたかったの。
それに尽きる…

今となっては凄く後悔してるよ。
英語が拙いのはオレの生活の中で今でもかなりのネックになってる。

天国の父さん、母さん、そして先生
本当にごめんなさいー☆

まぁ、でも「この時」はなんとか通じた。
だって、オレは「お客さん」だから向こうはゆっくり丁寧に聞いてくれるから…

「May I have a Fabric swatche, please?」
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ロスを抑えるべく、
生地のスワッチ=見本を貰ってデザイン画から型紙をおこして
用尺を出した後に購入する事にした。
↑この辺もすべてジェスチャーと単語で乗り切った。

生地見本を貰ってアパートメントに持って帰り、デザインを修正。

すべてのデザイン画を壁一面に一覧表にして貼ってみたんだよね。
ちょっと、爽快!
デザインルームみたい☆
こっからボツにするデザインと、採用するデザインを決めて行く。
そして、それを見て型紙をおこして行く。

間に合うかなぁ…

いつも大量に荷物を抱えて帰って来るオレを
アパートメントの優しいドアマンさんが凄い助けてくれる。
タクシーから、荷物を降ろすのを手伝ってくれて
時にはオレの住むフロアまで、運んでくれたり☆

ドアマンさんは交代制で二人か、三人いる。
すぐに二人とも仲良くなってなんか井戸端会議みたいなの一緒に良くしたよ。
のちに、オレがあの事件を起こした時も本当に助けてくれた…
今もみんな、まだあのアパートメントにいるのかな?

そんなある日、同じアパートメントに住む女性がドアマンさんとオレが乗るエレベーターで一緒になったよ。

そしてなんと、降りるフロアも同じ。
なんとなんと!
オレの部屋のお向かいに住むセレブな、アメリカ人女性でした。

たぶん、サリーさんだったかと。
魔法使い系の名前だったんだよ、確か。
まぁ、取り敢えずこのブログではサリーさんって事で固定します!

「はじめまして、私はサリーよ。
あなたはこの部屋に住んでるの?」

「Yes!
My name is GO!
Nice to meet you!」

「Go???
よろしくね。
ところでその荷物は何?」

「I 'm fashion designer.
This is a material to make clothes.」

「へー、凄いわねー」

お互いの部屋の前でしばし話し込んだ。
自分が日本のTV番組のデザイナーオーディションでグランプリを獲り、世界に羽ばたく為にNYでSHOPをする、その為の準備をしてる、とかぺちゃくちゃ。

「あら!?
デザイン画とか見たいですわ。
ちょっと見せて頂く事は出来るかしら。」

↑かなり上品


…でも、
番組スタッフさん達から、知らない人を部屋に入れちゃ駄目だよ。
危ないからね、GOくん。
絶対ね。
って言われてた。

「Yes.
Please come in.」

聞かれて即答しちゃった☆ (^ー^)ノ




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#ハドソン川 #HudsonRiver #生地スワッチ #FabricSwatch