おはようございますねこ


9月26日(木)夜明け晴れ


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今日の江戸小話は


「無筆の願い書」





昔々、十日村というところで


ひどい飢饉三年も続きました。




困り果てた百姓たちは


集まって相談を始めます。




「こりゃあ、代官さまに願い書を書いて、今年の年貢をかんベんしてもらわないと」


「それは良い考えだが、誰が願い書を書くのだ? おらは書けねえぞ」


「おらもだ」


「おらも」


 



すると一人の百姓が


みんなに言いました。


「やれやれ、なさけねえな。おれにまかせておけ」


「まかせるのはいいが、三蔵、お前も字を書けないだろう」


「大丈夫。ようは、気持ちが伝わればいいんだ」



 


さて、三蔵が書いた願い書が


代官のところへ届きました。


 



代官は願い書を開くと


首をかしげました。


「はて、きみょうな願い書もあるものだ」




その願い書には、数字で


《一二三四五 六七八九十 三》

と、書いてあります。




代官はあれこれと考えましたが


いっこうに意味がわかりません。


 


そこで願い書を書いた三蔵を呼び出して


たずねました。




「これなる願い書。そのほうが書いたものか?」


「ヘえ」


「では、そのほう、願い書を読み上げてくれ」


「かしこまりました」


 


三蔵は願い書を手に取ると


大きな声で読み上げました。




「一は、一つ申し上げます。
 二は、苦々しく。
 三は、三年このかた。
 四は、しじょう(非常)なききんで、
 五は、五こくも、
 六は、ろくに実らず。
 七は、質に置いても、
 八は、はじ(はち)をかくだけ。
 九は、食わずに苦しむ、
 十は、十日村の難儀(なんぎ)」


※願い書の意味
【一つ申し上げます。
 苦々しい事に、三年続く飢饉で食べ物がろくにありません。
 家の品を質屋に持って行っても、大した物がないので笑われるだけです。
 食べ物がなくて苦しんでいる十日村を、助けてください。】

 


それを聞いた代官は


ふんふんとうなづいて言いました。



「なるほど、願い書の意味はわかった。村が苦しいのは、わしの耳にも届いておる。出来る限り何とかすると、約束しよう。・・・だが、願い書の最後に書いてある『三』は、一体何のことだ?」


「はい、三の字は、願い人の三蔵にございます」



♪ちゃんちゃん


おしまいぺこり





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皆さん


今日も張り切って


いきましょうねぇ肉球 茶トラ