おはようございます
5月22日(水)晴れ
今日の江戸小話は
「釣りの先生」
「つり、おしえます」
と、書かれた看板を見つけた男が
頼み込みました。
「どうか私を、弟子にして頂けますか?」
「それは構わんが、その前に見どころのあるなしを調べねばならん。この釣り竿を持って、二階へあがって糸をおろしなさい」
男が言われた通りにすると
先生はおりてきた糸の先をちょっと引っ張りました。
「さあ、これは何のひきか、おわかりかな?」
「わかるとも、ハゼだ」
「残念じゃが、キスにござる。では、これはどうじゃな?」
「セイゴかな」
「いや、クロダイの子のチンチンでござる。では、これならおわかりじゃろ」
「えーと、アイナメのようだが」
「またもはずれ、カレイにござるよ。あなたは、よくよく感がにぶい。さあ今度こそ、当てなさいよ。これは、子どもにもわかる答えじゃから」
先生は言うがはやいか
釣り糸の先を力一杯引っ張りました。
男はふいをくらって
二階からまっさかさまです。
「あたたたたたっ!」
ひたいのこぶを押さえながら
男は泣きっ面で聞きました。
「今のはかなりの大物でしたが、ブリですか? カツオですか?」
「残念ですが、あなたには見込みがありませんね。カッパの引きもわからんようでは、とうてい無理でござる。釣りは、あきらめなさい」
おしまい
皆さん
今日も張り切って
いきましょうねぇ