第90回埼玉県駅伝 さいたま市陸協チームは“実(じつ)はこうだった…” | アルパカーズ ~ランナーチームの監督日記~

第90回埼玉県駅伝 さいたま市陸協チームは“実(じつ)はこうだった…”

第90回埼玉県駅伝が2月5日(日)に開催されました。
 
Aチームは、本来は優勝を目指したいところでしたが、現実的な『3位入賞』を目標に掲げてスタートしました。
 
そして結果は4位でした。
 
目標には届かず、3位の川口市陸協とアンカー勝負にまでもつれこみ、最終的には力負けした感じでした。
 

  本当は吐露したかった『実は…』

 
さいたま市陸協の内情からすると、直前期にたくさんのトラブルが発生し、厳しい戦いになることが予想されていました。
 
選手にトラブルがなく
万全の状態で臨むことができたら
3位は確実
 
というところでした。しかし当日までに多くのアクシデントが発生し、万全の状態ではなくなってしまいました。
 
そんな厳しい戦いの状況の中で、
『実は…』
何とか3位以内が確保できればよい
という雰囲気に変化してしまったのが正直なところでした。
 

  3つのアクシデント

 
① 斉藤を欠く
これに関してだけは前々から分かっていたことですが、長らくチームの主力として活躍し、多くの実績を残してきてくれた斉藤(今季15分00秒)を、仕事の都合で戦前から欠くことがわかっていました。ただ、十分に準備期間があったにもかかわらず、チーム内に並ぶ走力の選手が現れず、カバーできるだけの選手が存在しませんでした。
 
② 岡田を欠く
今季15分40秒の自己ベストで走り、駅伝までに15分20秒の状態にまで仕上げられると思っていた岡田が欠場を余儀なくされました。本来であれば、元800mのラストスパートを生かしてアンカーに起用する予定でした。
 
③ 中野を欠く
昨年度からプロランナーに転向し、デフリンピックの日本代表に選出されるなど急激に力を伸ばしてきた中野が、1月21日のさいたまランフェス以来足を故障しました。その前には30㎞走をやったのち5000m×3を16分00~30秒で走るなど調子を上げていました。本来は5区10.5km区間に起用する予定でしたが、出走が叶わなくなりました。
 
これらのアクシデントが重なり、2区で出走予定だった鈴木(貴)を5区に(距離が4.3㎞→10.5㎞に大きく変化)、4区の髙野を6区にそれぞれ替え、2区に中谷・4区に市塚の起用となりましたが、特に10.5kmの中野の抜けた穴が大きく、鈴木は対応が難しかったと思います。
 

  当日の油断も敗因

 
駅伝当日は、坂戸市陸協がライバルチームになると思っていました。
トラックレースへの出場が多く、戦力が把握できていたので、3位争いになるとチームメンバーに共有していました。
 
しかし当日フタを空けてみると、川越市陸協Bチームが4区終了時点まで後ろに20秒差と迫ってきていたことが印象に強く残ってしまい、その後方の40秒差にいた川口市陸協に対して警戒できませんでした。
 「川越市陸協Bを警戒する」ことによって川口市陸協に対する注意がなくなっていました。
 
川越市陸協Bは前半型のオーダーを組んでおり、5区で振り切ると、確実に“油断”が生まれてしまったとこのことです。実際には川口市陸協が2秒差で先着されると予想外のプランと違う走りを余儀なくされてしまいました。
 

 
僕が力不足で、もともとAチームで走れるほどの走力だったら何も問題はなかったはずなのですが…(笑)
アクシデントに対し、選手たちは全力で頑張ってくれました。
今回はアクシデントをカバーできるほどの厚い選手層を準備できなかったのが敗因でした。
 
一方で、上尾市陸協は田口選手と池田選手を欠く状態でも他の選手で十分に補うことができ、圧倒的な力で優勝しました。完全にチーム力の差が出ました。
 
来年度に向け、既存選手の伸びと、新メンバーの台頭、エースの復活(市塚、瀬﨑、氏原)に期待し、大会後の斉藤の言葉にあったように、「練習あるのみ、大会出場あるのみ」としてまた活動していきたいと思います。