【やり投げ練習備忘録】クロス走の安定のために
5年前、僕が都立高校教員に転職したばかりのときのことですが、
そのとき地理の授業で受け持っていた運動神経のよい帰宅部の生徒に声をかけたところ、陸上部に入部してくれ、たまたまその生徒にやり投げの才能があってか、高校3年生の時に56m16で南関東大会まで進出することができました。
指導するにあたって、僕も専門でやり投げをやっていたわけではないので指導内容はどうしても感覚に頼る部分があって、いわゆる「クロス走」は、
『とにかく自分で投げやすいようにタイミングを計って“テキトー”に投げる』
というものでした。
それがもしかしてその彼にはあっていたのかもしれません。
その後、昨春初めて異動を経験して次の高校でまたやり投げ選手を2人教えていますが、しかし、困ったことに今回はそのクロス走が、その時のように感覚だけではコツを掴めずどうしても狭まってしまって減速してしまう…。
これは、困りました
かといって無理にただ歩幅を広げようと指示すると、うまくやりを投げるタイミングと合わずに投てきがめちゃくちゃになってしまう…。
本腰を入れて修正するか~。
そんな訳で、いつものやり投げの師匠の大学の同級生のN氏がやたらSNSに上げている投てき動画を参考にイメージを膨らませることに。
すると、クロスがまるで「ミニハードル」を越えているようにリズムがあって、もも上げにような動きになっている。
『これだ!』
という訳で、生徒で早速実験(笑)
ミニハードルクロス走ドリル
まず、ミニハードルを5足長間隔で5台置き、
やりを持った状態で、前向きに20mダッシュして助走。
この前向きの助走の最後の1歩を、先ほど設置したミニハードルの1台めの直前で置くと同時にクロス走に移行、
クロス走の状態でリズミカルにミニハードルを5台越え、
おまけで10足長分(ここは結構適当でよかった)先にもう一台おいておいたミニハードル(僕らは“罠”と呼ぶことにした)をジャンプで越える。
これを20本行う練習メニューです。
ただ、これだけだとミニハードルが大きすぎてさすがに減速してしまうので、追加でメニューがあります。
さらに背の低いミニハードルを同じような間隔で設置して、上記と同じように行う。
注意点としては、先ほどの大きなリズムのイメージを残したまま、今度は出来る限りトップスピードで行うということ。
これは10本としました。
これを実践してから実際のやり投げの投擲練習に入ることに。
お陰様で見事にクロスが安定
よかった!!
このメニューは、やり投げ練習の前の、流しや動きづくりのような感じで入れるとよいかなぁと思います。
さぁ、まず実戦は4月2日、どうなることやら。