長寿を願う根拠として 二番目に言えることは
「長寿で帰天した人の方が この世に対する執着が少ない」ということです。
長寿の人は 死に対する準備というか この世を去る準備が出来ています。
「生老病死」といって 肉体は老いていくものですが、老い自体は悪かと言うと そうではありません。
自分にも 傍目にも「あの世に還る準備が進んでいる」「肉体と言う殻が固まってきて それを脱ごうとしている」ということが 客観的に見えるのは それほど悪いことではないのです。
ピンピンとした状態で死んだ場合「執着を残すな」と言われても やはり 残ってしまうものです。
その意味で 「今回はよくがんばったな。よく生きたな」と思えるような人生を生きて 自然にこの世を去っていくのは よいことです。
長寿で帰天した方が この世への執着は少なくなるし 「人生を全うした。完成した」と言う気持ちも強くなるのです。
もちろん、人生の中身も大事でしょう。
「あまりに悲惨な人生で 長寿」というのは つらいものです。
「わりに幸福な人生で 長寿」と言うのが最高だと思います。
