市長が、2月の記者会見で「今回の裁判については、顛末をつまびらかにしていきたいと考えています」と啖呵を切った「つまびらかにした」内容が広報誌に掲載されました。

市長の「つまびらかにする」ということは、事実を隠して本質を見えなくするということのようです。



〔タイトルの欺瞞〕

市長が「つまびらかにする」としたタイトルは、「市が被告になった損害賠償請求事件について」となっています。

このタイトルを見ると「損害賠償請求」に焦点を当て、「損害賠償という金銭に係る裁判」であるかのように誘導しています。

今回の裁判が「市長の恫喝発言のでっち上げの有無が原点になった裁判」であり、「市長が名誉棄損をしたことが問われた裁判」であることを完全に隠しているのです。

タイトルからして、真実を隠す市長の姑息さが表れています。



〔経緯のごまかし〕

広報では、2021年9月16日に「原告石丸伸二の言動は、市長としての行為であるとして安芸高田市に対して損害賠償を求める 訴えを提起。(損害賠償330万円)」と記載してありますが、事実関係はこうなります。

当初、山根議員は記事にあるように「一連の名誉棄損行為は石丸伸二個人がしたもの」として告訴します。

ところが、2021年9月3日市長は山根議員と安芸高田市に、次のような訴訟告知を出します。


(一連の名誉棄損行為は)石丸伸二が市長としての職務を行う際の行為と考えられるところから、石丸伸二に不法行為責任が認められた場合、国家賠償法第1条第1項により、公共団体たる被告人(安芸高田市)が賠償責任を負う可能性がある。

したがって、訴訟の結果について、安芸高田市が利害関係を有する第3者に該当する。



この告知は、「一連の名誉棄損行為は、石丸伸二個人ではなく、市長としての職務を行う際の行為」として争うことを明らかにし、敗訴した場合には国家賠償法により、安芸高田市が賠償責任を負うことを告知したのです。

つまり、市長は自分の尻拭いを安芸高田市にさせようとしたのです。

市長が「市長としての職務」として争う姿勢を見せたことから、山根議員は、市長の職務よる損害賠償に責任を持つ安芸高田市を追加して訴えることになるのです。




広報では、以上のような経緯を一切説明せず、山根議員が一方的に安芸高田市を訴えたようにしていますが、実際は、市長が安芸高田市をこの裁判に巻き込んだのです。

「山根議員が安芸高田市を訴えた」ことにしたい市長の姑息なやり口が見えています。