前回に引き続き、今年退任する協力隊員を紹介します。


〔例 2〕

彼は広島市で野菜の集荷販売をしていたことから、アキタカターンズが委託を受けた募集要項に「市場に出ていない農作物を生かすプロジェクト」が組み込まれ、この業務を担う協力隊員として採用されたものです。



このプロジェクトは、募集要項では次の任務を持っていました。


① 小規模農家と連携し、販路を開拓し、未利用農産物と市場をつなぐ架け橋となる活動を行う。


② 小規模農家生産出荷組合など事業体を組織し、農産物販売を事業とする。



ところが、2年目には次の3本の柱を設定しています。(PDF1ページ)


① 地域とのつながりを深める。

② こだま梨サイダーの仕組みづくり

③ 八千代町での拠点づくり



安芸高田市では、旧町時代から小規模農家の農産物販売のために、JAの産直市整備を支援し、民間においても八千代町に産直市が整備され、地元スーパーマーケットでも産直コーナーを設けていただいてきました。

したがって、このプロジェクトそのものが安芸高田市の実情を全く反映していないものだったのです。

したがって、2年目以降は、当初の任務は細々と行い、新たな柱を設定し、方向転換せざるを得なかったことがわかります。



また、「こだま梨サイダー」は、道の駅あきたかたの事業であり、彼はお手伝いをしたというのが実態のようで、彼の生業にはなりようがありません。



八千代町の拠点づくりは、彼のFacebookを見る限り、「酵素風呂浴ひなた」と野菜販売を組み合わせて事業化する拠点のようです。



彼はなんとか定住する基盤が出来そうですが、当初のプロジェクトは完全に霧散しています。



以上二つの例を見てきましたが、安芸高田市の協力隊事業は、次のようにまとめることができます。



① アキタカターンズに丸投げした募集業務は、M議員等のお友達を引き込む道具にしかなっていない。


② 設定された協力隊員のプロジェクト(業務)は、実態を無視した無責任なもので、制度本来の目的の実現性が全くない。

特に、経済的自立を想定した事業になっていない。


③ したがって、3年間の生活費を保障しただけの事業になっている。



こんな行政が許されるのは、安芸高田市だけでしょう。