令和6年度予算の予算決算常任委員会での審議が終了しました。

今回の予算の特色は、市長の近視眼的な経常経費の削減と好き嫌いによるパフォ―マンスだけの予算だと言うことでしょう。

そして、審議の最後にどんでん返しが待っていました。

その一端を紹介します。



1.ふるさと応援の会の補助金全額削除(1,780千円全額削除)

市長とふるさと応援の会との折り合いが悪いことは関係者の間ではよく知られていましたが、市長は今年度の補助金を全額削除しました。

応援の会にはふるさと納税や神楽公演等で支えていただいていましたが、市長の好き嫌いの前では何を言っても無駄のようです。

市長が削除した理屈は次のとおりです。(要約)



応援してもらう方が(補助金を出して)応援するのはおかしい。

ふるさと応援の会には投資効果がない(補助金を出しても見返りがない)。

 


2.学校教職員の働き方改革(1,100千円新規)

全ての中学校に、給食をコンテナから出し、教室の前までもっていく給食支援員を配置することのどこが学校教職員の働き方改革になるのか全く理解できません。

なぜ、これくらいのことを生徒にさせないのでしょうか。

また、必要であれば、すでに配置している学校用務員が手助けすることができるはずです。

「働き方改革」という言葉に酔った意味のない予算です。



3.次世代のリーダー育成海外短期留学事業補助金(4,500千円新規)

6人の生徒会長を次世代のリーダーとして育成するための事業だそうです。

安芸高田市の学校教育の実態、子ども達や保護者の思いなど念頭にもない予算です。



安芸高田市には、令和4年度不登校の児童・生徒が56名います。

令和5年度の不登校児童・生徒は60名を超えているでしょう。

令和4年度には不登校の児童・生徒が利用する適応指導教室に在籍者は12名しかいません。

令和5年度の在籍者は4名まで減少していると言います。

大半の不登校児童・生徒は放置されているのが実態です。



こうした状況を見かねて、昨年度民間の有志の皆さんがフリースクールを立ち上げました。

しかし、行政の支援は全くないと言います。

安芸高田市の公式チャンネルの登録者数が日本一になったとはしゃいで歓喜の舞をする市長には見えない実態でしょう。



4.議会広報誌印刷製本費(1,994千円復活)

「僕は勉強してないけど100点取っちゃいましたみたいな感じなんだけど、和ちゃんは「伸ちゃんはそれなりにやっている」と間違ったことを言っている。

和ちゃんには絶対お菓子をやらないんだから」と子どものケンカ程度の発想で全額削除された議会の広報誌印刷製本費が、議員が提案した修正予算案を可決して復活しました。

反対したのは、最後まで市長を擁護した熊高議員ただ一人でした。



「当たらずとも遠からず」程度のことを「間違ってる、訂正しないと予算を付けない」と騒ぎたてた、市長のネット向けのケンカも一件落着して委員会審議を終了しました。