今回から、3月定例議会に提出された令和6年度予算について検討していきます。



1.市長は、施政方針の「はじめに」の項の中で、次の4点について触れています。


① 元就入場500年記念事業とあきたかた焼きよる活性化


② サンフレッチェ広島応援の盛り上がり


③ 神楽は活動の幅を拡大


④ YouTubeやSNSによる知名度の向上



①は、昨年の元就フェス2023をのぞいて見ましたが、あれほど前宣伝したにしては参加者が少ないのに驚きました。

市長の市民や地域とのつながりの欠如が現れていたと見たのは筆者だけではないでしょう。



また、新規事業であるあきたかた焼きも、市内の認証店はわずかに2店舗のみで、市民はすでに忘れ去っているのではないでしょうか。

市民が参画しない、パフォーマンスに走っただけの事業の実態がよく表れています。



②~③は、いずれも市長が「他人のふんどしで相撲」を取ってはしゃいでいるだけにすぎず、他人の人気を利用した便乗商法で、自らの政策の欠如を補っているにすぎません。



④は、市長が自らの人気をあおり、賞賛を浴びるためだけの手段になっており、SNSへの投稿や意図的に編集された動画はネット市民には喝さいを浴びても、市民は眉をひそめ、嫌悪感さえ抱いています。



このような市長自らが自画自賛した状況が、市長の市政に対する現状認識になっています。



一方で、恫喝発言でっち上げ裁判における市長敗訴は、市民はもとより広く世間に非難が沸き起こっていることを知らないのでしょうか。



2.市長は「行財政運営の基本方針」について、次のように説明しています。


 ① 人口減少に対応した持続可能な財政運営に切り替える。


 ② 施設の廃止スケジュールを見直し、前倒しで施設を廃止していく。


 ③ 市のコンパクト化を推進し、インフラ資産の更新費用を削減していく。


これを見ると、市長の行財政運営は、ただ財政的支出を切り詰めるだけのようです。

安芸高田市の将来をにらんだ地域の活性化、産業の振興等の政策、そして、行政が支えるべき社会的に弱い立場の市民や文化的豊かさを追求する政策は一切触れられていません。



市長の思考は、20年前の金融機関の「貸し剝がし」の経験や、10年前の「自治体消滅論」に依拠しており、市民の活力と周辺地域を切り捨てるだけの行財政運営手法は、すでに破綻して過去の遺物になっていることがわからないのでしょうか。