3.以前から気になっていることがありました。

それは、地域おこし協力隊事業には、自治体雇用型と委託型があります。

委託型の場合、NPO法人や観光協会等の公益団体が対象とされています。

自治体が委託する場合、業務名は「地域おこし協力隊委託業務」となるはずですが、なぜか「地域おこし協力隊サポート業務」となっている謎です。

今回アキタカターンズの提案書で謎が解けました。



本来委託型の場合、公益団体と次のような契約を結びます。


① 市は協力隊員が従事する公益的業務を委託する。


② 公益団体は協力隊員を雇用する。


③ 公益団体は協力隊員を指揮監督し、公益的業務を執行する。


ところが、アキタカターンズとの提案書では、


① 協力隊員を雇用するだけで、協力隊員が従事する業務は協力隊員の個人事業として行われる。


② 協力隊員が従事する業務の委託を受けておらず、その業務についての責任を全く負わない。


③ アキタカターンズは週1回の進捗確認を行うことで、本来協力隊員に支払われるべき特別交付税440万円から協力隊員に実際支払われた報酬・活動費との差額を手にする。


ことがわかります。

これは、完全に国が定めた制度を逸脱したもので、一切の責任を負わず、週1回の進捗確認だけで、協力隊員の受けるべき報酬の上前をはねる汚いやり方です。



本来公益団体が受託する「地域おこし協力隊委託業務」を、合同会社アキタカターンズが受託するためのからくりが「地域おこし協力隊サポート業務」という名称に表現されています。



ちなみに、国の定めた制度には、「地域おこし協力隊員の日々のサポートに要する経費」を特別交付税で処置する制度(200万円/1自治体)がありますが、これは特にNPO法人等が想定されているため、アキタカターンズは「地域協力隊員の活動に要する経費」に手を付けたものと推測されます。



《結論》


本会は、安芸高田市とアキタカターンズの契約及びそれに関連する事務等について詳細に検討してきましたが、肝心要の問題は次にあります。



1社だけの参考見積金額をそのまま設計金額及び予定価格にして、冒頭の1社が1回の入札で予定価格と同額で落札し(秘匿されるべき予定価格をこの業者が知っていた)、契約する行為は、



いわゆる「官製談合防止法」第8条 職員が(中略)契約の締結に際し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格その他の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行ったときは、五年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金に処する。




によって、犯罪行為になる可能性があります。





安芸高田市は、本会が指摘した契約業務について調査し、必要な是正処置をとる必要がありますし、場合によっては、議会は100条委員会を設置して調査する必要が出てくるということです。



市民に皆さん、安芸高田市と議会がどんな取り組みをするのか注視しましょう。