今回の12月議会では、反石丸市長で結集した清志会がひっそりしています。



認定子ども園基本構想策定費の補正予算審議では、数人の議員が質疑を行いましたが、本来なら策定費削減の修正案を提出し、堂々と論陣を張るべきです。

会派外の議員が提出した修正案の賛成討論には一人も参加しないで、議決のときに起立するだけという状況です。



また、一般質問をする議員はわずか1名だけです。

他の清志会議員は「市長は質問してもどうせまともには答えん。

しかも編集された映像で誹謗中傷されるのは真っ平」という心情なのでしょうか。



しかし、市長は閉会後に行われる記者会見では「議員としての職務放棄だ。議員として失格だ」と攻撃し、心の中では「してやったり」とほくそ笑むことでしょう。

そして、この記者会見の映像が編集されSNSを通して流布されて、議員に対する誹謗中傷がさらに拡大していきます。



市長による議員攻撃は、石丸政治の生命線であるだけに、益々激化はしても終息することは決してないでしょう。



議場での市長は、質問内容が1週間前には伝えられているにもかかわらず、反問権を多用し、はぐらかし、決め付け、議員を小ばかにした発言を繰り返します。

典型的な「ヒーローと悪役を設定した劇場型政治」を展開してきました。

この映像が「市長への賞賛と議員を貶め誹謗中傷する映像」に編集されてSNSに載せられ、それを見た熱狂的な市長支持者が議員を誹謗中傷するという構図が出来上がっています。

議員も、根拠のない誹謗中傷とはいえこれだけ大量に出回り、脅迫や嫌がらせの電話等が繰り返されるとさすがに応えるといいます。



職員も物が言えない職場の中で、市長のお友達業者と不正契約を締結し、公金を流すことまでやらされています。

市民がコロナ禍で苦しんでいるときに、市長のお友達業者が濡れ手に粟でぼろもうけをするお手伝いをさせられるのですから、職員も疲労困憊していることでしょう。



石丸政治は、ウソまででっち上げて悪役をつくり、「20年先には安芸高田市は潰れる」等の極端な主張を繰り返して人気と賞賛を得ようとする、典型的なポピュリズムによる劇場型政治です。

そして、裏では平然と悪事を働きます。

この政治の中で、議員は怯み、職員はもがき、市民は疲弊しています。



この石丸政治に対抗できるのは、法によって与えられた議決権と監視機能を持つ議会しかありません。

契約事務の不正が明らかになり、恫喝発言でっち上げ裁判の判決が出てくる12月、議会の存在意義、政治家としての矜持が問われます。

市民は、議会が石丸政治に怯むことなく、託された権限を存分に発揮されることを期待しています。



[注 ポピュリズム]  大衆から人気を得ることを第一とする政治思想や活動をさす。

大衆を扇動するような急進的・非現実的な政策を訴えることが多い。

特定の人種など少数者への差別を煽る排外主義と結びつきやすく、対立する視力に攻撃的になることもある。



[注 劇場型政治]  単純明快なキャッチフレーズを打ち出し、マスメディアを通じて広く大衆に支持を訴える、ポピュリズム的政治手法。敵対勢力を悪役に見立て、自分は庶民の味方として戦いを挑むといった構図を作り上げ、国民の関心をひき付ける。