10月26日に、市長がXに次のようにポストしました。



広島県内のゆめタウン、ゆめマートであきたかた焼きの販売が決定しました。(略)

早くも県外への進出が視野に入りました。




ところが安芸高田市内では、あきたかた焼きを焼いているお好み屋さんがおられないようなので調べてみると、ここにも石丸市政が見えています。



現在あきたかた焼きの認証店は11店舗あるそうですが、安芸高田市内では11月に販売を開始するゆめタウン吉田店だけで、市内のお好み屋さんは全く参加していないのです。



グランプリ賞金50万円を掛けたあきたかた焼きを焼く市内のお好み屋さんが一軒もないのに、「早くも県外への進出が視野に入りました」と自慢して、何の意味があるのでしょうか。



あるお好み屋さんに次のような話を聞くことができました。



コンテストへの応募は、職員がポスターを持ってきて「簡単に出来るお好み焼きのコンテストをやるので、応募してんないですか」と言うたが、「簡単にできる」などとバカにしとる。

お好み焼きは手間もかかるし、儲かるものじゃない。

それでも、工夫して「おいしい」と言ってもらえるお好みにしてきた。

餅入りならうちでもやっとるし、今更なんで、あきたかた焼きをせにゃーいけんのんか。




毛利元就入城500年記念事業の一環として始まったこの事業は、「誰かが思いついた『あきたかた焼き』をコンテストというイベントにする」という「イベントありきで始まっている」ことがよくわかります。

しかし、こうした「新しいお好み焼きを創作し、育て、安芸高田市の名物にする」という長期に亘る事業を本気でするのなら、市民や関係者が最初から関わり、知恵を出し、主体的に動くことなしに成功できるものではありません。

つまり、「御役所仕事のイベント」だけでできるものではないことは、たいがいの人なら誰でも分かることです。

しかし、こうした当然のことが分からないのか、分かっていてもできないのか、ここに大きな問題が潜んでいます。



市役所では毎週原則として月曜日に、部長級職員と支所長が出席した幹部会議が開かれますが、市長が上位下達で指示を出し、その指示の執行状況を確認するだけの場になっているといいます。

そして、市長の意に添わない言動をした職員には徹底的な叱責、罵声が浴びせられるといい、職員は意見や提言どころか発言さえ控える戦々恐々とした会議だそうです。

庁舎内の職員はこれをパソコンで見ることができるそうですが、毎週上司が市長から罵声を浴びせられる姿みて、どんな気持ちになり、どんな振る舞いをするようになるでしょうか。



市長が絶対者として君臨し、市長の指示に従うだけの閉塞した組織に、市民のための創造的な行政、市民が参画して共に作り上げる行政ができるわけがありません。

あきたかた焼きがイベントありきのおざなりな事業として行われていることの原因はここにあります。

ちなみに、市長が進める中学校の統合や認定子ども園が抱える問題も全てここから発しています。



安芸高田市では、このような市長の存在と組織の崩壊が、全ての行政の混乱と停滞、いやむしろ後退の原因を作り出しています。