次に、山根議員側弁護士(以下 弁護士)による尋問への市長の証言です。

弁護士は9月30日と10月20日の全員協議会でのやり取りを中心に尋問し、市長が自分の主張を証言するという形で進みました。

しかし、何点か新しい事実が出てきましたので紹介します。



○ まず、弁護士は、市長には「9月30日のメモ」しか証拠がなく、「恫喝発言があったとの証言」に根拠がないことを指摘されました。


○ 弁護士が「山本議員が武岡議員の診断書(原本写し)を市長に手渡した」ことを確認し、その診断書の取り扱いについての尋問で、市長は「中身を見ないでそのままシュレッダーにかけた」と証言しました。

弁護士が「普通なら中身を確認するはずだが」等と繰り返し尋問しても、市長は「個人情報だから見なかった」と言い張りました。




*市長がこの診断書を見ていれば、武岡議員を糾弾してきた「診断書は見たこともなく、黒塗りの診断書しか見ていない」という前提が崩れ去りますのでさすがに頑なに否定しました。

しかし、市長は元山本議長に診断書を手元まで届けられたことは認めても、「中身を見ないでそのままシュレッダーにかけた」、「個人情報だから見なかった」と不自然な主張を繰り返し、白を切り通しました。



○ 市長が提出した証拠のメモから、「数名から恫喝」とある「数名」とは、発言順に「塚本、児玉、山根、山本」であることを明らかになりました。



*ここで新たな事実が出てきました。

市長がXで指摘した恫喝発言や脅しに近い発言は「議会を批判をするな。選挙前に騒ぐな。敵にまわすなら政策に反対するぞ。夜道には気をつけろよ」という4つのフレーズです。

特に最後の「夜道には気をつけろよ」という発言は100%恫喝発言です。

仮に山根議員がこの発言をしていれば、この発言を含めて本裁判が対象とする発言(本件発言)になったはずです。

しかし、この発言は「本件発言」にはなっていませんので、「夜道には気をつけろよ」という発言は、山根議員を除く3議員の内の一人が発言したことになります。



市長は、なぜ10月20日の全員協議会で、この発言をした議員に、山根議員と同じように「その真意、その理由等」を聞かなかったのでしょうか。

なぜ山根議員だけ名指しをして問い詰めたのでしょうか。

いくら巧妙に組み立て取り繕っても、ウソからは必ずボロは出るものです。



しかし、市長は、裁判官から「偽証は偽証罪に問われる」ことを告げられ、「ウソ偽りの証言はしない」と宣誓までしても、平然と虚偽証言を最後まで繰り返しました。

この市長の精神の異様さには恐ろしさを感じざるを得ません。



最後に裁判長から「これで結審し、判決は12月26日午後2時」であることが告げられました。



閉廷後、弁護士による報告会が開かれました。ポイントを紹介します。



今回の法廷での弁護士の尋問は全体的に淡々と行われ、市長側弁護士の尋問は「市長の主張を裏づけ、一連の言動の整合性を示す」ことを意図した尋問であったと感じられました。

弁護士によると「事前の書面でのやり取り等で一定の整理が付いる」との説明を受けました。



また、「争点が絞られていたこと」、「今回で結審し判決が想定より早く出る」等から、本法廷までに「裁判官の心象はすでに固まっていたのではないか」と指摘され、勝訴に自信を示されました。



最後に弁護士が、今回の裁判は、山根議員の裁判であるとともに、石丸市政を問う裁判でもあると指摘され、市長をここまで増長させた議会の責任について触れられたのが印象的でした。