9月20日の議会総務文教委員会で、市教育委員会(以下 教委)は、7月に行ったアンケート結果を基に、今年度の取り組みとスケジュールを明らかにしました。



1.まず、4月以降の保護者説明会について見てみましょう。


 ○ 保育所等の保護者説明会

  ・ 実施した保育所等 9施設  資料配布のみ  4施設 

  ・ 説明時間     15分間 8施設   30分間 1施設

  ・ 参加率      69.5%


 ○ 小学校の保護者説明会

  ・ 実施した小学校等 全8校  

  ・ 説明時間     20分間 3校    30分間 5校 

  ・ 参加率      53.7%

  ・ ライブ配信視聴者 40名


 ○ 説明資料      A4版7ページ(教育内容編4ページ、施設編3ページ)で、内容は「いいことだらけの内容」で、統合によって生じる問題については一切言及がありません。

ただ、遠距離通学を考慮して、通常の6時限授業を5時限授業に削減し、削減分を夏休みに確保することのみ記載してあります。

まず、説明時間が、保育所等では1施設を除いていずれも15分間、しかも、4施設では資料を配布しただけです。

小学校でも20分から30分です。

説明資料は、7ページもあり、とてもこの時間で説明し、理解をしてもらうことは無理でしょう。「一応説明した」というだけです。



子ども達が中学校に行っていない保護者には、「教委は良いことばかり言っている」と思いつつも、「不安はあるし、何が問題か」すら思いつかないのが実態ではないでしょうか。

教委は、すでに統合を完了した自治体や統合が進行している自治体で、どんな問題が起きているのか、それを解決するためにどんな取り組みをしたのか等々を調査し、保護者や市民の前に明らかにすべきです。

そして、保護者や市民を交えた議論をすべきです。



多くの場合、学校統合区域が広大になると、地域の実情や通学時間等の問題が必ず出てきてスムーズに進まないのが常です。

特に、統合区域が300k㎡程度を超えると、必ず大きな問題なる傾向があります。

安芸高田市は、約537k㎡の区域になりますので、保護者や市民の不安も大きく、さまざまな問題が出てくるでしょう。



通学時間が片道1時間30分(往復3時間)もかかる地域では、保護者や生徒の負担は大変になりますし、その地域の「定住条件」は確実に低下します。



5時限授業ですと、午後2時30分には授業が終了しますが、クラブ活動が地域化していけば、学校は生徒にクラブ活動への参加を強要することは出来ませんので、クラブ活動に参加しない生徒が激増するでしょう。

その生徒たちは、午後2時30分以降をどう過ごすのでしょうか。



思いついただけでも、こうした疑問が次々と出てきます。



拙速な統合は大きな混乱を呼びます。最初のボタンの掛け違いは絶対してはなりません。