市長が最近youtube.comのPIVOTという番組に出演して、「言いたい放題」しかも「放言」していますので何点か指摘しておきます。



まず、市長は「市長と議会は対立する概念です。でないと二元代表制の意味がない」としきりに強調しています。



しかし、「二元代表制」とは、「首長と議員をそれぞれ住民が直接選挙で選ぶ制度」で、「首長と議会は独立・対等の関係に経ち、相互に緊張関係を保ちながら協力して自治体運営にあたる責任がある」とされています。

残念ながら、市長の主張するように、「市長と議会は対立する概念」ではなく、是々非々で対応し、対立することこそ避けるべきなのです。



市長は、議会との対立を極限にまで持ち込んだ手前、それを正当化するために「本来、市長と議会は対立するもの」と詭弁を弄しているに過ぎません。



また、市長は、「議会は対話する気がない。それは議会には正当な理屈がない。議論から逃げている」等々と、言いたい放題のことを言っていますが、市長と議会と対立して行った経過を整理します。



① 市長は、令和2年9月に議員の居眠りをツイートした後、「複数の議員から恫喝発言を受けた」とツイートし、10月20日にはマスコミを呼び込んで、「恫喝したのは山根議員だ」と糾弾しました。

ここからマスコミやSNSで市長が注目を浴びてくるのです。


② これに対して議会は、10月に議場での居眠りに対する対応策を決定するとともに、恫喝発言については「威圧的と感じる発言はなかった」と公式に発表しました。


③ しかし、市長はこの問題を長引かせるために、議会に対して「恫喝発言について議会と話し合いがしたい」と執拗に申入れをしています。

しかし、議長は「議会として『威圧的と感じる発言はなかった』という見解は出しており、話し合うことはない」と拒否したのです。


④ これに業を煮やした市長は、令和3年1月の全員協議会で、「議会は軽率短慮、プライド、矜持というものがない。議会との協議は常任委員会でやればいい」と捨て台詞を残して退出したのです。


⑤ その後、市長は「議会は恫喝発言について話し合いに応じない」から、「議会は話し合いに応じない」と主張を変え、「対話に応じない議会」というイメージを定着させていくのです。


⑥ そして、7月の市長・議長等協議会の冒頭から「(議会からの回答を指し示して)以後この場には国語が理解できる方にお越しいただくようお願いします。正副議長に限らないどなたでも結構です。きちんと理解できる方のみお越しください」と議長に対して罵詈雑言を浴びせました。

議長は、「国語能力がないということでしたら、私はこれからは来ません」と反論し、わずか4分間で退席したのです。

これ以降市長と議会の対話、協議が完全になくなったのです。



こうした経過を見れば、市長の主張がいかに一方的なものであるか、そして、市長と議会の間に対話、協議の場がなくなったのは誰に原因があったのかがよくわかります。