② 「不信任の真意」、「問責と不信任の矛盾」


まず、市長は「不信任決議案の提出は市政を正常化する」ためと主張していますが、大嘘をでっち上げ、議員への個人攻撃を繰り返して議会との断絶を引き起こし、思いつき程度の方針と稚拙な行政手法で市政を混乱に陥れた元凶である本人=市長から、「市政の正常化」という言葉を聞けるとは思いもよりませんでした。

「どの口が言うのか」とあきれ返ります。



不信任決議案の提出は、本来反市長派の議員が「市長が信任できない」と失職を求めるものです。

ところが、今回は、「ごりごりの市長支持議員」が提出しています。

完全に論理的に矛盾しています。



市長が「自ら信を問いたい」のであれば自ら辞職し、辞職後の市長選挙に出馬すれば済む話です。

議会が信を問う必要があるのであれば、「地方公共団体の議会の解散に関する特例法」により、解散すれば済む話です。

「不信任決議」によって、何ゆえ市長に議会の解散を行わせる必要があるのでしょうか。



では、なぜこんな手段に出たのでしょうか。

不信任決議が可決されると、市長は議会を解散することができます。

ところが、議会解散後、市長が「自分も信を問う」と辞職すれば、市長と議会のダブル選挙を行うことになるのです。

市長と熊高議員は、こう考えたに違いありません。



(株)良品計画の出店については、多くの市民が期待をしている。

したがって、今「議会の反対で(株)良品計画の出店ができない」と主張してダブル選挙を行えば、市長選挙で勝利するだけでなく、市議会議員選挙においても、市長支持派の議員で多数派を確保できる。 




ところがこの策略は、さすがに他の市長支持派議員の反対も加わって、賛成2名、反対13名で崩れ去りました。

ただ、シセイクラブの2名の反対理由は、この間の彼らの言動を見れば、別のところにあったようです。



シセイクラブは、以前に協力隊員であった者を中心に、新人候補の擁立を画策しています。

ただ、この時点の選挙では、新人候補の選挙準備が間に合わないことから、反対せざるを得なかったと思われます。



市長は、不信任決議案に反対した議員について、



議員の立場を失う可能性があるからに他なりません。

議員が保身を優先した結果




と「議員の反対がエゴに過ぎない」と批判をしていますが、「今なら選挙に勝てる」と、制度の精神を逸脱した、なりふり構わぬ「不信任決議案の提出」というやり方は、明らかに「自らの保身(市長再選)」を狙ったもので、とても議員を批判する資格はありません。



不信任決議は大変重いものです。

「専決処分の不承認、予算の削除」だけでは「不信任決議」ということはないでしょう。

「まずはイエローカード(問責決議)、次にやったらレッドカード(不信任決議)」と順を踏むことになります。