この4月から市長の記者会見が各支所で放映され、市民も見ることが出来るそうです。



「自分の意に沿わない議員と中国新聞社の記者を罵倒する異様な姿をよく放映するな」と思いますが、市長本人は得意満面なのでしょう。



この話を聞いて思い出したのが、NHKの「映像の世紀」という番組です。

この番組で、映像(映画)を加工もしくは捏造して政治的プロパガンダに使った歴史を放映していました。

その中で、特に注目されるのはナチスの映像を使ったプロパガンダです。



ヒトラーは、早くからプロパガンダの重要性、中でも映像の持つ力を理解していたようで、政権奪取以前から巧みに利用しています。

よく知られているのは、ベルリンオリンピックの映画を使った国威掲揚ですが、一糸乱れぬ隊列でヒトラーを崇拝する大衆を見ると、恐怖さえ感じます。



注目されるのは、ユダヤ人に対する差別、迫害からホロコーストを許容していく大衆心理を作り上げる役割を果した「でっち上げられた映像」です。

そして、こうした映像を作り、プロパガンダとして使うナチス=人間の姿です。

人間をここまで変えるプロパガンダに空恐ろしさを感じざるを得ません。



翻って、市長のプロパガンダを見てみましょう。



市長は、「議員から恫喝された」という大うそをでっち上げ、ツイッターと広島ホームテレビを使って既成事実化し、ネット社会から「自治体改革の旗手」という賞賛を得た成功体験をもっています。(ところが、当日の録音が出てきて、大うそであることが判明し、現在裁判になっています)



市長は、こうした成功体験を持っているからでしょうか、ツイッター、テレビ・新聞等の既存のマスコミに加え、全戸配布の広報紙、市のホームページを使った記者会見の動画配信等あらゆる手段を使って、自分の政治的主張や人間的魅力を表現する場を作り上げてきました。

そして、4月から各支所においても記者会見の映像を流すという徹底した体制を構築しています。

しかも、全て公費で行うのですから、ナチスも賞賛する体制だと言っていいでしょう。



ただ、市長がこうした手段を使ってプロパガンダをいかに強めようとも、安芸高田市民は、市長の所業に嫌悪感を抱いても、決して同調することはないでしょう。



市長が自分の意に添わない中国新聞の記者をいくら攻撃しても、広島ホームTVとアベマTV等を除いたマスコミは、決して市長になびくことはないでしょう。



特に、「差別は排泄と同じ、誰でもするが、人前ではしてはならない」と、差別を許容するツイートを平気で流すような人間を、世の中は決して許しません。


 
[注]プロパガンダ

政治家や企業が、大衆をそれと気付かせることなく、考え方を支配すること。