以前から、「市長は道の駅に無印良品を誘致するために、観光協会を追い出そうとしている」という噂が出ていましたが、今日の中国新聞に「無印良品が出店する方向で最終調整している」と報道されています。

噂話が本当であったことが明らかになりました。



確かに、無印良品が入店すると、次のような利点があるでしょう。


① 道の駅に無印良品からのテナント料が入り、道の駅の経営が安定する。


② 無印良品の来店者との相乗効果が見込め、産直市等への集客効果が出る。


③ 全国的に有名な店舗の存在が、定住条件や市民の利便性を向上させる。 等々



しかし、これらの利点だけ見て、もろ手を挙げて賛成するわけにはいきません。

次のような犠牲を払い、大きな課題も残っています。


① 観光協会の解散、職員の解雇という大きな犠牲を払った。


② 安芸高田市の観光情報発信の拠点が消失する。


③ 観光協会が販売していた地場産品・グッズ等の1755万円余りが消失し、地場産業への影響が出てくる。



道の駅の事業は、「設置及び管理条例」の第4条に次のように規定してあります。


○ 道路利用者の利便性の向上に関すること


○ 観光情報及び地域情報の発信に関すること


○ 地域の物産及び飲食物の販売に関すること


○ 災害時における防災拠点として、被災者への支援に関すること


○ 道の駅の設置目的を達成するために必要な事業に関すること



この条例によると、道の駅はあくまで地元の観光、農業、地場産業の振興及び防災対策を目的としたものです。

したがって、商業施設である良品計画が出店するためには、条例の改正が必要になることがわかります。

ところが、市長は、議会で条例改正どころか一切の説明もしていません。

新聞によると「市は施設の改修する方針」とありますが、改修する予算も議決されていません。

全て市長の独断で進められてきたのです。



しかも、最大の問題は、市長は観光協会を追い出し、良品計画を出店させる計画を進めていたにもかかわらず、事業者等への説明を一切行わず、地場産品を販売する場を奪ったことです。

その対策を市長は一言も語ってはいません。極めて無責任です。



自治体の事業は、「市民や関係事業者の理解と協力を得て、議会で議論し、必要であれば条例の制定もしくは改正と併せて予算化する」という手順を踏む必要があります。

市長には、こうした手順を踏む意思も能力、そして何より「対話する能力」が無いようです。