アンケート結果の後半を見てみましょう。



3.説明会へ参加した保護者の説明内容の理解



 次に、説明会の内容の理解を見てみましょう。

○ 十分理解できた    27人 (12.8%) 全保護者比 ( 2.4%)

○ ある程度理解できた 125人 (59.5%) 全保護者比 (11.2%)

○ どちらともいえない  35人 (16.7%) 全保護者比 ( 3.1%)

○ あまり理解できなかった14人 ( 6.7%) 全保護者比 ( 1.3%)

○ 全く理解できなかった  7人 ( 3.3%) 全保護者比 ( 0.6%)

○ 未回答         2人 ( 1.0%) 全保護者比 ( 0.2%)



保護者説明会で、何が説明されたのか、確認しておきます。

① 3案とも生徒数・学級数が減少

② 通学距離の比較

③ 部活動の選択肢の増加

④ 専科教職員の増加

⑤ 必要な教室数

⑥ 新しい学校像(案)



①から⑤までは、当たり前のことです。

⑥も、保護者は、良いとこ取りだけの記述であるこを見抜いているでしょう。

この程度の説明は、せいぜい一般的な知識程度のもので、「1校か2校か」の判断に必要な内容ではありません。



教委は、1校案へ誘導するよう説明したつもりでしょうから、今回の「理解できた 12.8%、ある程度理解できた59.5%」を網掛けをして強調していますが、保護者にすれば、「言っていることはわかった」程度のことではないでしょうか。



統合後の校数



中学校統合後の学校数の考えを見てみましょう。

○1校案がよい      203人(42.4%) 全保護者比 (18.2%)

○2校案がよい      138人(28・8%) 全保護者比 (12.4%)
  (吉田・高宮G)

○ わからない      138人(28.8%) 全保護者比 (12.4%)
 


教委は、この数字を以って、「保護者からは、1校案で理解してもらった」と主張し、計画素案の作成に入るとしています。

また、今回の議会常任委員会での答弁では、「今後説明会やパブリックコメントを実施する」とは言っていますが、「計画素案の作成に入る」としています。



しかし、今回のアンケート回答者数が、前回と比べ半減したことは、保護者の間に不信感が増幅したと言うことであり、しかも、「1校案がよい」とするのは、全体から見ると極めて少数の意見であることです。



さらに、市民への説明は一切行われず、意見も全く反映されてないことを考えると、この数字を以って、「1校案が理解された」として、計画素案の作成に入るなどもってのほかです。
 


職員は、こうした大きな事業を行うときには、次のような手法を取る必要があることを、よく知っています。



専門家、保護者、市民や議員を含めた検討委員会を立ち上げて議論し、その議論を公開して保護者や市民の意見を聴取し、合意形成を図り、より良い計画にしていく。



これでは、「市長の思いつき程度の発想に基づいた、市長のレガシー作りのため」だけの事業に完全になっています。



しかも「市長の命令ありき」でなりふり構わぬ手法に、保護者や市民が愛想を尽かすのも無理はありません。