10月28日、市長の裁判費用についての住民監査請求に係る陳述を行いました。

陳述とは、住民監査請求書を補完・追加する内容について、監査委員に説明するものです。

市民の皆さんもなじみがないことなので、少し報告をします。



今回の陳述のポイントは、

① 山根議員に対する「恫喝発言をしたとする誹謗・中傷」は、被告石丸伸二の「私的な行為」である。

(「石丸伸二個人として内容証明を送付している」等の証拠を提示して、誹謗・中傷は、安芸高田市長として行ったことではないことを論証した。)


② この訴訟は被告石丸伸二の私的な行為に対するものであることから、安芸高田市は、被告石丸伸二からの訴訟告知を受けても、訴訟に参加する必要はないのに、参加することを決定した。

(安芸高田市が訴訟に参加することを受けて、原告は安芸高田市長を提訴した。これで、この裁判の被告は、石丸伸二と安芸高田市の2者になった)


③ 結果、安芸高田市は、支出する必要がない弁護士費用及び職員の旅費の支出を行った。

(被告の安芸高田市は、顧問弁護士に弁護を依頼、裁判に職員を派遣している。なお、被告石丸伸二の弁護士費用は、石丸伸二が負担している)


④ したがって、市長は、「利害関係を有する者として安芸高田市が訴訟に参加する」という誤った決定をしたもので、弁護士費用及び職員の旅費を、安芸高田市に返還すべきである。



というもので、住民監査請求の論点を明確にしました。



議会からは、秋田議員が監査委員ですので、市長の一連の言動に係る議会の責任について、言及しました。



「恫喝発言」については、議員全員で発言の事実はないことを確認し、議会として市長に通知している。

にもかかわらず、その後市長におもねる議員が出るなど、適切な対応を取らなかったが故に、市長は増長し、最近では、「市民から聞いた」ことをもって個人攻撃に走っている。

「市民から聞いた」ことのみを根拠とすることは、誤報や市長のでっち上げの可能性があることから、市長のこうした言動を許すことは、極めて危険である。



たとえば、私が、「○○監査委員が、『監査委員の仕事は、ちょろっとのぞいとけば良いので、簡単なもんよ』と言うのを市民から聞いた」と、公の場で言ったり、通信に書いたらどうされるのか。

「わしは、そんなことは言うとらん」といくら言っても、多くの市民は、声の大きいほうを事実だと思う。

ウソでも言った者勝ちになる。

市長のやっていることは、これと全く同じことである。



だから、市長を監視する機能を持っている議会は、市長のこうした行為を絶対許すべきではない。



以上、1時間30分の陳述でした。



蛇足ですが、今回住民監査請求をしてみて、大変なことだというのがよくわかりました。



住民監査請求は、不当な支出等について監査を請求するものですが、「不当であることの証明」は、監査請求人が全て行わなければいけません。

不当であることの論理の組み立て、証拠書類の収集・整理、請求書の作成等があり、弁護士、行政書士等の専門家、もしくは行政の仕組みを知っている行政経験者等でないと、難しいと感じました。



市民が「ちょっと、おかしいと思うので監査してもらおう」と言う訳にはいかないのです。

監査請求に必要な公的機関が持っている行政文書については、監査委員の責任で取り寄せるとか、監査請求人の負担を軽減する制度がないと、住民監査請求が「住民の制度にはならない」と感じました。