8月22日の通信で、「思いつき程度の施策を連発」という表題の通信を発行しましたが、今年度前半の石丸市政は、まさにそのとおりの状況で折り返しに入りました。



10月3日から、庁舎の開庁時間が9時になります。当初、この開庁時間の変更理由は、


① 時間外手当400万円の削減効果がある。

② 削減される時間は45分で、来庁者も少ない時間帯である。

③ 商業施設では、勤務時間と開店時間が違う。市役所も同じ。(市長の説明)

というものでしたが、しかし、最近は、


① 集中して業務を行う時間を設け、業務の効率化を図ります。

に、変わっています。



来庁者がいない、わずか45分間だけ集中して業務を行うことで、業務の効率化になると言うのです。

どこが、どう業務の効率化になるのでしょうか。

全く意味不明、理解不能です。



最初から、こうお願いすればよかったのです。



8時30分前の朝礼に時間外勤務手当を出さないのは労働基準法違法になるので、勤務時間内である8時30分から朝礼をするようにしたい。市民の皆さんの協力をおねがいします。



ところが、市長が、「全国で○番目、広島県で初」に目が眩んだ結果、訳のわからないことになったのです。



先日、市役所に行ったのは、「360度評価に関するコンサルタントとの委託契約書」についての行政文書公開請求のためでした。



この行政文書公開請求は、「子どものゲーム程度の360度評価」に関わった、コンサルの有無を確認するためです。

まだ、回答は来ていませんが、コンサルは関わっていないことが確認できました。



コンサルが関わっていれば、コンサルの名誉と責任に賭けてもこんな幼稚な制度にはなりません。

と言うことは、市長と職員が考え出した制度だということで、「子どものゲーム程度の制度」であることに納得がいきます。



この制度は、人事評価には当たらないことはもとより、次のような致命的な欠陥があります。


① 職員間の混乱や、評価の制度を上げるために行う、評価に当たっての職員への教育、訓練が全く想定されていない。

② 通常なら、最低でも20項目程度必要な評価項目が、アリバイ程度のわずか5項目では、職員の職務に必要な能力を全く評価できない。

③ 評価した後の職員の能力を伸ばす制度が全く想定されていない。


市長は、9月29日のツイツターで、次のようにつぶやきました。



(前半 略) 市役所の人事制度に360度評価を導入する一環ですが、「評価し、評価される」機会は組織運営において非常に有用だと思います。 他の自治体にも広がっていくと横断面データとして、また有益な情報になるとの考えです。



しかし、今回の「子どものゲーム程度の360度評価」は、「組織運営において非常に有用」どころか、「100害あって1利なし」になります。

「他の自治体にも広がっていく」どころか、他の自治体からは、笑われるだけでしょう。



ちなみに、幹部による市長への360度評価は、市長が自分の能力の高さを自画自賛するために、忖度された結果を与えただけのものです。



これも、市長が「広島県初の称号」に目が眩んだ結果、無用、有害の制度が導入されました。



このほか、「再生可能エネルギー設備導入補助事業」も政策的意図のない、15戸という特定の世帯に補助金をばら撒く程度の事業でした。



思い返せば、今年度の予算も、全く目新しい事業はなく、あえて上げるとすれば、高齢者へのスマホ購入補助事業だけで、期待される内容ではありませんでした。



石丸市政も3年目に入りましたが、施策形成能力、企画能力は低下の一途をたどり、思いつき程度の事業や制度が続出しています。

市長が、自分の能力を誇示し、人気を得るためだけの「全国で○番目、広島県で初」へのこだわりから脱しないと、ますます市民無視の市政が続くことでしょう。