21日の議会総務文教常任委員会で、市役所の開庁時間を「8時30分」から「9時」に遅らせ、さらに「17時からの15分」を閉庁するための報告と、質疑が行われていました。

市長のあまりの非論理性、感情の露出に、唖然としました。



「住民票、戸籍謄本等に関わって窓口に来庁する市民の内、今回閉庁する45分間に来庁した市民は4.4%に過ぎず、影響は軽微である」というのが理由の1つだそうです。

8時間開庁する時間の中で、45分間は9%あまりですから、約半分の密度になります。

市長は、これを切り捨てて、「行政の効率化」だと強弁しています。



通常こうした合理化は、利便性を確保する他の制度と抱き合わせて、市民に提案するのが常です。

市長には、行政を運営していく上で必要な「柔軟性」が全くないようです。



今回と同じ開庁時間をしているのは、全国の数多い自治体の中で、わずかに3自治体だそうです。

大阪府内では、9時開庁の自治体も見受けられますが、閉庁は17時30分になっており、17時15分以降を延長しています。



毎日、時間外に朝礼5分と、ミーティング等15分していると仮定し、年間約400万円の時間外手当が削減になる」と説明しています。



これは、あくまで仮定の話で、職員は毎朝8時10分には来て、朝礼とミーティングを行ってはいませんし、これまで時間外手当を出している事実もありません。

この間支出してきた約400万円が削減されるのなら、財政健全化に寄与すると言えますが、一円の効果も出ないのに、市長は何を以って財政健全化だと言い張るのでしょうか。

完全に「仮定と現実」を取り違え、論理破綻しています。



「400万円の削減効果」は、後から細工の根拠のない数字だということです。むしろ、悪質な偽造された数字といったほうが適切でしょう。



市長は、商業施設を例に出し、「始業とともに開業する商売はほとんどない。・・・準備と片付けの時間を確保して、その間に営業時間というのを設ける(要旨)」と主張、自治体も同様だとし、議員を「余りにも理解がない」とあざ笑いました。



商業施設は、当日の販売、サービスポイントの徹底、商品の補充、陳列等の準備が必要なため、開店までの時間を必要とします。

閉店後も同様に時間を必要とします。

しかし、自治体の日常には、こうした業務は例外的にしかありません。

商業施設と同列に扱うようでは、市長の小理屈も極まったというべきでしょう。
 


市長は、行財政改革や行政の効率化にもならず、市民の利便性を損なうだけの開庁時間の変更にこだわるのでしょうか。

なぜ、この時期にする必要性があるのでしょうか。



「全国にも数例しかない改革を行う先進的市長を演じ、賞賛を得たい子どもじみた願望」から来ているとしか考えられません。



しかし、市民は、市民無視、合理性無視であることを見透かしています