いつもはユーチューブで見ていますが、今日は久々に議会の傍聴に行ってきました。

そこで面白い現象を見つけました。



市長に近い議員が質問した時は、彼はきちんとしかも過剰サービス的に答弁をします。

ところが、市長と距離を置く議員の質問については、傍聴している市民にもその趣旨が分かる質問であっても、答弁の冒頭に「何を言おうとされているのか分かりませんが・・・」等々と困惑する姿を見せます。

つまり、「筋の通っていない、意味不明の質問をする議員」という印象操作を巧みにしているのです。

そして、小理屈を並べ、持論を述べ、質問にはどこでどう答えたのか分からないようにします。



彼は、銀行で為替の動向について調査する部署にいました。

銀行は民間企業の為替を仲介することでも収益を上げています。

そのため、為替情報を民間企業に提供する必要があるのです。

彼は、韓国ウォン(傍流中の傍流)を扱っていたということですが、それでも為替相場を予想する事は容易なことではありません。

そこで、銀行では、顧客企業を獲得したり、説明したり、時には当たらなかった時に理屈を展開するために、「ディベート術」を徹底的に仕込まれます。

彼は、この技術を議会答弁に使っているのですから、年配の議員をあしらうのは何の造作もいらないのです。

そして、ユーチューブで「市長の弁舌爽やかな姿」を見たユーチューブ視聴者は「市長、カッコイイ!!」となり、「議員は、レベルが低いのー」となるのです。



しかし、彼が、「ディベート術」を駆使していくら語っても、彼から物事の原則や本質を聞くことはできないでしょう。

彼が語っているのは、小理屈に過ぎませんから。



市長に近いとされる議員は、いずれも「定数16名か8名か」に焦点を当てて、その是非を語っています。

意図的か否かはわかりませんが、論点を完全にずらせています。

今回の問題は、そんな枝葉末節なところにはありません。

原理原則に関わることで、最低でも、次の3点が整理される必要があるのです。



① 市民の権利に関わることであることが理解されているのか。

② 市民の理解を得るという手続きがされているのか。

③ 市長と議会が並立しているという2元制を踏まえているのか。
 
さすがに、市長と距離を置く議員は、この3点に触れ、反対討論をされていました。



市長が答弁の途中に「恥を知れ、恥を」と叫び、議員を叱責しました。

そしてまずいと思ったのか、「と、声が上がってもおかしくない」と小さな声で付け加えました。



今回の騒動を見て、市民は「恥を知らなければいけないのは、市長では」と確信しています。