前回の通信(市長の「議員定数」半減案)で、次のように指摘しました。

① 市長が議員定数に係る提案することは、
  全国的にもほとんど例のない異常なこと。

② 議員定数は、多様な意見を市政に反映させ
  るための基本であり、軽々しく扱うものではないこと。

③ 議員定数の変更は、主権者である市民の理
  解が必要で、しっかりとした手続きが必要なこと。



今回の市長の所業は、こうしたことが考慮された形跡が全くなく、「議会の懐に手を突っ込む、私情から出た稚拙な言動」と言われての仕方のないものです。だから、次のように危惧しました。



市長の任期は後2年余り、議会との「確執、泥仕合」だけで終わるつもりでしょうか。



議会と戦争状態に突入すれば、市長の意図する重要議案や人事案が、ことごとく否決される可能性が大きくなります。

そうなれば、市政は日常業務だけになり、政策的事業の執行は困難、いや出来なくなるでしょう。政治が拗れるとこうなるのが常で、他の自治体でも散見されます。



市長はこうした影響が出ることを考慮しなかったのでしょうか。

「理性」より「私情」が勝ったのなら、市政を預かる市長としては、完全に失格でしょう。

いや、政策など全く見えない市長だから、考慮する必要もなかったのかも知れません。



新聞によると、ある市長に近い議員が、こう言ったとあります。


執行部からの議案提出は異例と思うが、問題提起としてはある。



この議員は、「市長は、議員定数が多いと言っているに過ぎない」と、極めて善意に解釈したのでしょうか。

市長の問題提起なら、議長に「議員定数について、検討されたらどうでしょうか」と申入れるのが筋です(常識ある首長ならこういうこともしないでしょう)。



「贔屓になるとどこまでお人好し」になれるのでしょうか。

地方自治の原則も、「懐に手を突っ込まれる」ことも全く見えなくなるのでしょうか。



いずれにしても、市長のこの暴走に、議会はどう対応するのでしょう。

議員の常識の有無を見させていただくチャンスです。市民の皆さん、注目しましょう。