5月24日の記者会見で、市長は、「議員定数を16名から半減して8名にする条例改正案」を6月定例議会に提出するよう検討していると発表しました。



ついに来るところまで来ました。

市長は、議会に全面戦争を通告しました。

市長の任期の残り2年余りは、行政不在で完全に不毛の時代になるでしょう。



市長は、「厳しい財政環境と社会情勢の変化」を提案の理由としてあげていますが、副市長2名が認められないばかりか、副市長の設置に関する条例の改正で、定数が2名から1名にされたことへの対応だと説明しています。

つまり、議会への意趣返しであると言っています。
 



議会関係の条例は、議会が市民の意見を聴取し、議員の発議として議会に提出されることが常です。

これは、「自治体が市長と議会の2元代表制」で成り立っていることから、市長は一方の代表である議会には、原則として不介入の立場を取り、「議会のことは議会で決める」のが常になっています。



一方で、議会は、「執行部の監視と市政の重要案件や条例の議決は議会の権限」ですから、市長の意に反することも議決します。

市長の持つ権限は強大ですから、議会には2つの大きな権限が与えられ、バランスを取っているのです。



特に議員定数は、「市民の代表を何人にするか」ということで、少数意見や多様な意見を尊重するためには、議員が少なすぎるのも問題ですし、かといって、多ければいいといったものでもありません。

市民の多様な意見を集約し、市政に反映するために「多からず、少なからず」という議員定数が求められます。

このため、議会は、議員定数を変更する時には、市民懇談会等を開いて、市民から意見を聴取し、慎重に判断していきます。また、人口や産業構造が似ている自治体も参考にします。 



さて、今回の市長による「議員定数の半減条例の提出」は、どう見るべきでしょうか。

① 「議員定数」という最も重要な案件について、市長は「議会の懐に手を突っ込
   む」という通常ありえない手段に出ました。全国的にもほとんど例がありませ
   ん。それほど異常なことです。


② 「議員定数」は、多様な意見を市政に反映させる機能の最大要素であることか
  ら、その根拠を明らかにし、市民の理解を得る手続きが必要です。「厳しい財
  政環境と社会情勢の変化」という一片の理屈で、手続きも踏まない手法も異常
  です。



 異常だらけの今回の事態。市民不在の所業に、呆れ、そして頭にきます。

 市長の任期は後2年余り、議会との「確執、泥仕合」だけで終わるつもりでしょう
 か。