今年の2月、吉田町の常友住宅(入居世帯68戸、入居率85%)、甲田町の甲田住宅(入居世帯 64戸入居率80%)の住民に、市長から「令和8年3月末を以って、住宅の用途廃止をする」との通知が突然届きました。

さらに、その通知には、「不審な点の問い合わせには、コロナ対策のため、来庁は避けて電話でお願いします」とありました。



「人を馬鹿にするにもほどがある」と思いませんか。

昔から「衣食住足りて・・・」というくらい、「住」は人が生存していく上でもっとも大切な要素です。

それを一片の紙切れで通告をしてくる。

さらに、「この件については会って話をするつもりはない。電話なら受けてやる」という極めて傲慢な態度に出ています。

主権者である市民をなんだと思っているのでしょうか。

市長、あなたは市民に「雇われている」のですよ。呆れてものが言えません。



常友住宅は築後46年、甲田住宅は築後45年で、令和8年には鉄筋コンクリート建築の耐用年数とされる築後50年~70年の域に入っていきます。

しかし、当時の雇用促進事業団から譲り受ける時に必要な改修をしていることや、耐震構造になっていることを考えると、「築後50年になれば直ちに用途廃止しなければならない。」と判断するのは、余りにも教条的な判断だと言わざるを得ません。

それなら、国司住宅はどうなるのですか。

国司住宅は簡易耐火建築で、耐用年数ははるかに超えています。

物事の判断が狂っているとしか言いようがありません。



さらに、吉田町の公営住宅は、この国司住宅の20戸のみで、甲田町や向原町に存在する60戸前後と比べて極めて貧弱です。

国司住宅の建て替えを含めて、吉田町の公営住宅を充実させることは大きな課題なのです。



2つの住宅の入居率は80%余りで、民間住宅との比較では、十分な数字とはいえませんが、すぐさま廃止を迫る数字では全くありませんし、本当に「公営住宅」として活用する術はないのでしょうか。



常友住宅は、吉田町の老朽化した3箇所の公営住宅の廃止に伴う転居先としての機能も果たしてきました。

誕生した経緯から、「公営」とは違う「公有」という名称になっていますが、実態は「公営住宅化」しており、老朽化した国司住宅の受け皿としての活用も考えられます。



さらに、「コンパクトシティ」を考えた時には、医療や買い物の利便性が高い2つの住宅は、限界集落等に住む高齢者世帯の移転先、また冬季限定のシェアハウスとしての活用も考えられます。



また、国際交流協会や雇用主と連携して、外国人実習生や労働者の住宅として活用することも出来るでしょう。



こうしたこと以外にも、先進地の事例等を研究したり、若い職員の知恵を結集すれば、もっとすばらしい活用法も出てくるはずです。要はやる気があるかないかの違いです。
 


昨年の9月議会の総務文教常任委員会で市長が、こう言い放ったのを思い出しました。


安芸高田市はこれまで人口減対策をしてきたが、人口は減る一方で全く効果は上がっていないではないですか。私は人口減対策をするつもりはありません。(要旨)


そうです。

市長には定住対策など最初からやる気はなかったのです。

だから、公有住宅など気にも留めていなかったのです。

当然そこに住んでいる市民についても全く関心がないのでしょう。

一片の紙切れで済ますのですから。