代 表  杉 原  洋


市民の皆さん、今回の「石丸騒動」は、新たな市長の誕生をもって終結したのではありません。

新市長の就任によって、行政のやり方が「思い付きと強権」から「計画性と対話」に大きく変わることは間違いありませんが、まずは、混乱した市政や主要事業を早急に整理し、石丸市政の大掃除をする必要があります。



認定こども園は、吉田地区に存続させることを基本に計画を組み替えることが必要ですし、中学校の統合も生徒数の推移と財政への影響を検証しながら、保護者・市民の意見をしっかり聞き、課題を整理することから始める必要があります。



財政計画も、前市長時代の薄っぺらな計画ではなく、今年度作成する総合計画に新市長の政策を組み込み、10年程度の財政推計を伴った実効性のある計画に作り直す必要があります。



職員の皆さん、こうした大きな転換点においては、職員の皆さんの活躍が不可欠です。

市民は、職員の皆さんの活躍を心から期待しています。



前号で指摘したように、今回の石丸騒動では議会の課題も見えてきました。

大掃除の仕上げは、11月の市議会議員選挙においては、厳正な審判を下し、与えられた権能を果たすことができる議員・議会を誕生させることです。



今回の市長選挙の投票が、「候補者の人間性と公約」を基準になされたように、市議会議員選挙においても、問われるのは「候補者の人間性と公約」です。



私たち市民は、4年間の「石丸騒動」を教訓にして、市議会議員選挙に臨むことが求められています。



最後に、先日の「恫喝発言でっち上げ」控訴審後の記者会見での弁護士の発言を紹介します。



前市長に終始加担した広島ホームテレビは論外として、多くの報道機関の報道姿勢が前市長の増長を支えてきた。

しかし、中国新聞及びA記者は常に公正中立な報道をされた。(要約)




中国新聞及びA記者が、記者会見の場や市の広報誌を使って市長から筆舌に尽くしがたい攻撃を受け、さらには石丸信者や切り抜き動画によって偏向報道のレッテルを張られながらも、常に市民サイドに立った公正中立な報道をしてこられたことに対して、本会は敬意と感謝を表したいと思います。



本会は7月12日をもって解散いたします。

しかし、会員はそれぞれ地域でこれまでと同様に奮闘していくことをお約束します。

そして、これまで支えていただいた多くの皆さんに感謝とお礼を申し上げます。

本当にありがとうございました。
                           代 表  杉 原  洋


本会は、石丸前市長の大ウソのでっち上げと余りものでたらめな市政に業を煮やして、令和4年4月23日に発足しました。

それ以降2年余りにわたって、市民の皆さんに「何が事実なのか、何が問題なのか」を発信し、市政刷新に一定の役割を果たしてきたと思っています。



しかし、本会はもとより大半の市民は、どうしようもない憤りを感じてきた日々でした。



前市長が、自分の意に沿わない議員や記者を悪役に仕立て、自らは正義のヒーローを演じる劇場型個人攻撃を行い、金もうけに走るユーチューバーがその映像を切り抜き動画に編集して流す。それを見た信者が熱狂して前市長を称賛し、一方で議員や記者を誹謗中傷し、中には危害を予告するがごとき攻撃をする。

こうした石丸信者の熱狂に酔った前市長は益々増長し、言いたい放題やりたい放題になっていました。



私たちは、故武岡議員がこうした攻撃を受け、心身ともに疲労する中で病気になり、失意にうちに亡くなったことを忘れることができません。



さらに、前市長は、就任直後から「恫喝された」と大ウソをでっち上げ、辞職するまでウソにウソの上塗りを重ねるだけでなく、お友達企業のアキタカターンズと癒着し、1社随意契約により利権構造まで作り上げていました。



まさに市民にとっては、「前代未聞の市長だ」といっても過言ではありません。



一方、議会は、市民の意に反したもしくは法令を無視した議案や予算については否決や修正をしており、最低限の役割は果たしたと評価していますが、議会には前市長をここまでのさばらせてきた責任があります。



市長の横暴や特定業者との癒着と利権を許さないために、議会には市長を監視する権能があり、検査権、監査請求権及び調査権が与えられているのです。

しかし、議会は、こうした権限を行使し、徹底した調査や検証をしたことは一度もありませんでした。



また、市長がSNSだけでなく市の広報誌まで私物化して、ウソまで交えた情報を流し続けたにもかかわらず、議会・議員からの市民への情報提供は、一部の議員を除いてほとんどありませんでした。

なぜ、せっかく作った会派による組織的な対応がなぜできなかったのでしょうか。

何のための会派だったのでしょうか。

多くの議員が「さらし者になるのはこりごり、触らぬ神に祟りなし」で済ませていたと感じたのは本会だけではないでしょう。



なお、「大ウソでっちあげた前代未聞の市長」であることを知りながら追随し支えてきた議員は、議員以前に人として信用できません。

また、アキタカターンズとの不正行為に加担した議員に至っては、「安芸高田市を食い物にする危険人物だ」と言っても過言ではありません。
東京都知事選挙は、予想通り小池知事が勝利しましたが、本会が注目していたのは、中盤以降急激に伸びた石丸君の選挙です。
 


田舎町で大ウソを交えた劇場型政治の主役を演じた石丸君が、何を勘違いされたのか、著名な財界人に担ぎ出され、選挙の神様と言われるコンサルタント、政党関係者、政治評論家等々に支えられても、完全に泡まつ候補として見られていました。



石丸君の当初の公約は、安芸高田市長選挙の時と全く同じ「政治再建、都市開発、産業創出」を掲げ、唯一具体的な事業は、安芸高田市で将来の財政状況も考えずに実績づくりのために予算化した「学校給食の無償化」だけでした。

安芸高田市において混乱だけを引き起こした「政治再建」、何ら手掛けることもなかった「都市開発と産業創出」が公約として並んでいたのです。



そして、選挙戦の後半に入っても、実業の経験もなくFX取引のレポートを書いていただけの、二元代表制すら理解していない人間が「経済と行政の専門家」を標榜し、内容のない煽るだけの短い演説を繰り返していたのです。



一方で、SNSを使った選挙は他候補を圧倒していたと言われています。

安芸高田市で行われていたように、内容のない煽るだけの演説であっても、動員された観衆を前に演説する姿を切り取って「歯切れのいい言葉と新鮮さを売りにした姿」に編集し組織的に拡散したのでしょう。

SNSでバズり、それに比例して演説会場の聴衆も増えていったようです。

そして、小池知事には引き離されましたが、蓮舫候補を上回る得票を得たのです。



SNSを巧みに使って作り上げられた虚像が、都民をここまで惑わせたことに、大きな驚きと戸惑いを感じざるを得ません。



今回の選挙は、これまでの選挙のやり方が大きく変わる転機になっただけでなく、既存政党・政治への不信、所得格差の拡大による不満が蓄積する社会においては、SNSを駆使したポピュリズム的な主張や編集された動画によって有権者を煽る選挙手法が極めて有効であることが実証されたのではないでしょうか。


組織された集団がこうした手法を使えば、息を吐くようにウソをつくとんでもない人間でも、政治の表舞台に登場できることが明らかになったのです。



今回の選挙に極めて危険なにおいを感じたのは本会だけではないでしょう。
本会が発足して2年余り、やっと石丸市政を根底から変えていく藤本新市長が誕生しました。

藤本新市長に心からお祝いを申し上げるとともに、新市長のまちづくりの基本である「対話からの前進」に大きな期待を寄せたいと思います。



さて、本会は大きな関心を持って市長選挙を見守ってきました。



熊高候補は、前市長の「政治の見える化」に共感し、「継続と改善」をスローガンに「改革の流れをつなぎ、新たな安芸高田をつくっていく」と訴え選挙戦を戦ってきました。



一方の藤本候補は、前市長の「丁寧さを欠く手法が市民の意識の分断を呼んだ」として、「対話からの前進」を掲げ、「合意形成を大切にする」と訴え選挙戦を戦ってきました。

選挙戦においては、「認定こども園は吉田地区に設置する」と明言していることからも、具体的な事業においても見直されることが期待できます。


つまり、今回の市長選挙は、石丸市政を身近に見てきた市民が「石丸市政の手法を否定する対話からの前進」と「石丸市政の継続と改善」を審判する選挙であったのです。



そして、選挙結果は次のとおりでした。

○ 投票数     12,772票  

○ 藤本悦志 候補  6,746票  

○ 熊高省三 候補  4,541票  

○ 赤津誠一郎候補  1,216票

○ 森谷公昭 候補   106票



この選挙の結果、安芸高田市民は、

○ 恫喝発言のでっち上げをはじめとして、息を吐くようにウソをついた石丸市政

○ SNSを使ったポピュリズム的劇場型政治(個人攻撃)により人気取りに走った
  石丸市政

○ お友達企業と癒着し、1社随意契約を悪用して利権構造を作った石丸市政


の「継続と改善」を否定し、藤本候補に市政を託したのです。
 


さて市民は、藤本新市長が早急に市政を立て直し、「対話からの前進」を着実に実行されることに大きな期待を寄せています。



職員の皆さん、これまでの強権による閉塞的な職場環境が大きく変わります。

そして、こうした大きな転換点においては、職員の皆さんの活躍が不可欠です。

市民は、職員の皆さんが生き生きとした姿で活躍されることを心から期待しています。
前回の記事の一部を削除、追加訂正をしています。



さて、今回の安芸高田市(1審被告市)の全面敗訴をうけて、安芸高田市(新市長)はどんな対応をするのでしょうか。

選択肢は、次の二つです。


① 最高裁へ上告受理申立てをする。

② 控訴審判決を受け入れる。




まず、①上告受理申立てをするには、次の理由が必要です。



原判決について判例違反その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むことを理由とする場合



つまり、この上告受理申立ては、事実関係を理由とするのではなく、原判決に判例違反や法令解釈の間違いがある場合に行うことができるとされています。

控訴審判決にこうした間違いがあるとは思えず、上告受理申立ては「石丸前市長のための時間稼ぎ」に過ぎないことがわかります。



また、仮に新市長が、石丸前市長に義理立てして最高裁へ上告受理申立てを企てても、上告受理申立て期限までには時間がありますので、専決処分をする理由が存在しませんし、議会に上告受理申立てに係る議案を提出しても、議会は議案を否決するのは必定です。



したがって、新市長は、安芸高田市としては、控訴審判決を受け入れる以外に方法はありません。



〔追加訂正〕

なお、前市長は1審被告市補助参考人として訴訟に参加していることから、補助参加人として上告受理申立てが可能となります。

ただし、この受理申立ては、単なる時間稼ぎに過ぎないことは明らかです。




では、安芸高田市が損害賠償をした場合、石丸前市長は、「無罪放免」になるのでしょうか。



国家賠償法第1条には、次のような規定があります。(要点)


② 公務員(今回の場合、前市長)に故意又は重大な過失があったときは、公共団体(安芸高田市)は、その公務員(前市長)に対して求償権を有する。



第2項中に「公務員に故意又は重大な過失があったとき」とありますが、前市長は「恫喝されたとする発言は存在せず、10月20日の発言はY議員の社会的評価を低下させることを認識していた」という「故意又は重大な過失」がありますので、安芸高田市は、損害賠償に要した金額を前市長に請求する十分すぎる理由があります。

なお、前市長がこれに応じない場合には、裁判を起こしてでも償いをさせることになるでしょう。



〔参考〕

広島ホームテレビは、一貫して石丸前市長の主張に沿った報道を行い、さらに前市長の東京都知事選挙出馬に合わせたように「つぶやき市長と議会のオキテ」を制作・上映して、Y議員を貶めています。

今回Y議員が広島ホームテレビへの怒りの抗議文を提出されていますので紹介します。