世間を賑わせているネタの中で、絶賛論争中であると思われるもののひとつに
「電子書籍化と出版業界」
というものがあります。
i-tune storeが登場して以来、音楽業界はまたたくまに「音楽配信ビジネス」の渦に飲み込まれてしまったわけですが、書籍、雑誌も、現在同じ渦に吸い込まれようとしています。
電子化は時間の問題とされていましたが、出版業界の「紙こそ至上」主義、ほぼ寡占状態の取り次ぎによる流通システム、そして出版社経営陣の「何それ?」体質、上層部の「出版(雑誌)バブル時の成功体験ですべてものを考える」思考、てんてんてん。

とにかく数多くの事情により「俺たちゃ紙で生きている!」気質が現場の隅々にまで浸透。
まったくもって遅れをとっておりますです。

かくいう私も、そんなふうに洗脳を受けたひとりであります。
ですが、もはや、以下の図式が脳裏から離れてくれません。
本屋が減っている→コンビニもいずれ減る→雑誌・書籍の置き場所競争が激化→必然的に部数もへる→紙コンテンツ淘汰の最終過程へ突入(なくなるわけではなく、縮小)→加えて大量の社員を抱える大手が賃金支払いをするために経費削減→やっぱり※フリーにしわよせ(が=ん)※これに関してはもはやどの段階においても顕著でしょう

まあ、出版社、取次ぎ、書店、著者、外部スタッフを取り込んだ、
弱肉強食ワールドが展開されるわけですね。

実は、以前務めていた出版社で、
「デジタル以前の、ほぼすべての掲載写真、図版など、引っ越しにあたって捨てる」
というおふれが出た時には、
さすがにのけぞりました。。。
過去のデジタル時代以前の有名作家の直筆原稿や写真もあったはずです。
その愚行(かどうかはまだ結論はでませんが)に怒りすら感じたのですが、
「この会社、このまま雑誌系列(onlineも含め)だけで稼ごうとしてるのではなくて!?。
過去の遺産でお手軽にコンテンツ配信とか、考えてないのかしら?
新しいビルのお家賃が高いからといって、それはまずいのではないかしら!?」
と世間知らずなりに考えた次第。
そのとき、いつかここの紙は規模縮小の憂き目にあう、変化に対応できないのではないだろうか。。。
などと不安心理も働き、辞表願いを出し、はや2年がたとうとしております。
(その後オンライン物販なども始めたそうで、いろいろ試行錯誤の様子がもれ聞こえます)

そこで登場したのが、i-pad。

スティーブ・ジョブズ氏が嬉しそうに発表していましたね。
私はスティーブの顔大きさとi-padの大きさを比べるのと、ジーンズに目が釘付け。
日本では通常モデルが3月末、3G回線モデルが4月に発売されるとのこと。
こちらの出現により、amazon寡占状態がApple社と競合状態になり、著作権料、版権など、
紙ではない、さまざまな電子コンテンツを、出版社が「売れる」=「お金になる」
市場が広がる可能性が広がったのです。
まさしく出版業界にとっては歓迎すべきことだと思うのですが、
「twitter上で議論されているほど社内では盛り上がっていない」というのが現実とか。
マズいぞ出版社。

私は最初「買わん」と考えていましたが、ここにきて「欲しい!」派に転向。
いちばん大きな動機は、超シンプルで、「使ってみたいから」ですが、以下に理由をかきました。

理由1 打ち合せに便利(資料となる雑誌や写真、情報が、i-phoneより大きな画面で見られ、スタッフと共有できる)
理由2 映画鑑賞、Youtube、U-stream、ニコニコ動画を外出先でi-phoneより大きな画面で、PC携帯するより少ないストレス(軽い,薄い,平たい)で見られる。仕事する必要のない旅行に携帯したい。
理由3 ビジネス書や占い本(?)、料理本、旅行本、わざわざ買わなくてもいいけど読んでおかなくちゃならない雑誌など、じっくり紙で眺める必要のない本たちのスペース減少効果。
理由4 Macユーザーであることの意味不明な誇示
理由5 安い!(通信料がどうなるかによるけれど)

番外編 出版社がんばれ!のエールを込めて。。。

経済危機と出版構造不況(?)により、いっそう財務体質の悪化した出版社、
大クライアントであったはずのラグジュアリーブランドの収広激減、
ユニクロデフレ、雑誌より通信費、買わないブームなどなど
「紙で食っている」から「紙だけではもう食えない」となり、
ついに聖域にメスが入り、社員など○○カットが行われるという噂もちらほら聞こえてまいります。
書き手である著者、ライター、フォトグラファー、スタイリスト、ヘア&メイクなど
経費削減のためフォトグラファーは機材代が出なかったりと、
すでにフリーへのギャラカットは行使済み。
これはまた、新しいフォトグラファーの活躍の機会を奪っていると聞きます。
ある方は「経費持ち出しが多すぎてギャラではカバーしきれない」とのこと。
フリーランスは、そのため今大変な目にあっております。
だからこそ、電子化へ向け、読者と電子書籍リーダー&i-padユーザーを満足させる
良質なコンテンツづくり、良質な編集、アプリの開発、
などなどが今求められております。
出版業界、早く流れの速さに追いついて、さっさと船をこぎ出しましょうではありませんか。
だって、フリーランスは「いかだ」でこぎ出しているようなものなのです。
それよかずっと状況はよろスイ。(そこが弱点か。。。)
大量の優秀な人材を生かさず殺さず、品質向上策を誤ったり、
生ぬる~いところは早速淘汰されちゃうでしょうね。

がんばれ! 出版社!

経済学者のどなたかが「出版社は労働組合が強過ぎるのがいけない…」
「まともな会社に入れなかった人が入社しており、左翼思想に傾倒した人が多い」
だからダメなんだ、と偏り気味に、本日twitterでつぶやいておられました。
どちらかというと過去は確かにそうだったかと思われますが、現状は労組も弱体化したところも多く
聖域へのメスなど、一部変化しているようですよ。
よく言われているのが、
出版人の性質として、新しいものに対するセンサー、キャッチ能力はあり、理解力もあるのに、ものづくり現場から上がってきているため、本格的な経営者としての能力を培われていないとか、
これまで長きにわたりよい時代が続いたこともあり、新しい時代と共存していく経営才覚が育っていないとおっしゃる方も多いようです。ふむふむ。これには私も納得することが多かった。
アメリカなどで「経営者は編集者から上がってきている」話をすると驚かれるのだそうです。ほう。

ちなみに、私は「紙」には愛着があります。しかし、より選択的な状況を歓迎するものであります。

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