川端康成の『みずうみ』を読みました。

 
みずうみ (新潮文庫)/川端 康成

¥340

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まずは、タイトル。

主人公の男の母の郷里にある「みずうみ」。

父がそこで死んだ「みずうみ」。

でも、これは美しい女の後をつけずにはおられない

男の物語なのですから、「みずうみ」なんて、

そんな思わせぶりなタイトルはいけません。

 

次に、この作品は

主人公の男の「意識の流れ」を描写した点が新しい、

と評されていますが、

何それ? という感じ。

この作品は三人称で書かれていますが、

そもそも一人称で書かれた小説は

すべからく主人公の「意識の流れ」を書くもの

ではないでしょうか。

それを三人称で行ったから新しい、

ということなのでしょうか。

 

そして、作中の人間関係ですが、

これがなんとも不可解というか、

中途半端ですね。

せっかく、後をつけた女の知人の少女の後を

そうとは知らずに今度はつける、

という展開に持って行きながら、

その後の絡みが全くない

というのはどうなのでしょう。

ミステリーじゃない純文学だからこれで良いのだ、

というのではいけないと思うのですが。

 

 

評価 ☆☆

 

 

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