その昔あるところに同じ民族が幸せに暮らしていました。
しかし、その後国が分断してしまい、2つの国はお互いにいがみ合うようになってしまいました。
いつかは戦争に発展し、両者は一歩も譲らずそれぞれ別の道を歩むことになりました。
 
いつかはもう一度手を取るはず・・だったが、対立は今も続いている。
 
 
皆さんは「北朝鮮」と聞いてどのようなイメージを思い浮かべますか?
 
ミサイル、拉致問題、独裁、飢餓、・・
とあまりいいイメージを持っていない方が多いかもしれません。
 
事実北朝鮮は非常に貧しく、ここ最近でも餓死が相次ぎ、ジリ貧状態だとニュースで報道されています。
しかし、あなたはこんな疑問を抱かないでしょうか?
 
なぜ北朝鮮は崩壊しないのか? と。
 
そう、北朝鮮は経済はボロボロ、国民の生活は悲惨にもかかわらず、建国から80年近くたつ現在も独裁を維持し続けています。
いったいなぜなのか?
 
今回はその理由について解説していきます。
 
※北朝鮮が崩壊しない理由については様々な説があります、加えて、この記事では著者の主観も含まれます。
そのため、この記事を読んでくださる方の考えと異なることがあります。
あらかじめご了承ください。
 
 
1、北朝鮮について
 まずは、北朝鮮という国について簡単にご説明します。
北朝鮮は南を韓国、北をロシアと中国に囲まれた小さな国です。
 
人口はおよそ2500万人で、GDPはわずか1兆8000億円と言われています。
ちなみに、鳥取県のGDPとほぼ一緒です。鳥取県の人口が55万人ほどと考えると非常に貧しい国であるといえます。
 
ご存じの通り、現在も残る金一族による独裁国家の1つです。
 
もともと朝鮮半島は1つの国でした。
第2次世界大戦で、朝鮮半島は日本の領土になり、その後アメリカとソ連が朝鮮半島の取り合いをしました。
その後、北をソ連型の社会主義国、南をアメリカ型の資本主義国としてスタートさせました。
 
ご察しの通り北が現在の北朝鮮に、南が現在の韓国です。
戦争などで朝鮮半島統一を目指したこともありますが、どちらも一歩も譲らず結果としていまだに分断したままになっています。
 
 
2、結論
 北朝鮮は崩壊の理由を奇跡的にすべて逃れているから。
 
3、北朝鮮が崩壊しない理由
 
 ① 周辺諸国が北朝鮮の崩壊を望んでいない。
  北朝鮮は中国と韓国、ロシアに囲まれています。
 そして、実は中国と韓国は北朝鮮の崩壊を望んでいないと言われています。
 
 中国:同じ社会主義国家として隣に社会主義国家があるのは都合がいい。
 加えて、在韓米軍の存在があるといわれています。現在韓国には米軍がいます。もし、北朝鮮と韓国が併合してしまうと、
 中国のすぐ隣に米軍が存在すると中国は考えているためあまり望んでいないといわれています。
 
 韓国:韓国が北朝鮮との統一を嫌がる理由はドイツの統一があるといわれています。
 ドイツは統一したことで、豊かだった西ドイツ国民の生活の質が下がりました。
 
 そして、もし朝鮮半島が統一するならば同じことが起こるといわれています。
 北朝鮮と韓国で貧しいのは、当然北朝鮮の方です。もし朝鮮半島が統一されれば、大量の北朝鮮国民が南へ押し寄せてくるでしょう。また、豊かな韓国は北朝鮮を支えることになります。
 韓国の人口は北朝鮮と比べても倍ほどしかありません。加えて、現在の韓国は世界でもトップレベルの出生率となり、高齢化が非常に加速しています。
 つまり、この状況で北朝鮮と統一することになったら、韓国経済は破綻するといわれています。
 国民からしてみれば、国が破綻することは避けたい。なので、韓国は北朝鮮がこのまま独立を貫いてくれることを望んでいます。
 
 ちなみに、東欧やソ連など崩壊した社会主義国は周辺諸国が崩壊を望んでしたといわれています。
 これが、他の社会主義国が崩壊したのに、北朝鮮は崩壊しない理由の1つとしてあげられています。
    
 ② 軍事的なクーデターが起きない。
  北朝鮮のニュースを見るたびに、多くの人は北朝鮮では今に国民が怒りを爆発してクーデターを起こすということが言われています。しかし、実は北朝鮮の専門家および脱北者の証言によるとクーデターによる崩壊の可能性は非常に低いのだという。
 
 そもそもクーデターによって崩壊させようという発想があまりない。
 これは脱北者の証言によるものである。
北朝鮮は長いこと大日本帝国なり、ソ連なり、金一族なりの支配下に置かれてきた。
つまり、長い歴史において国民が時の権力者を倒したという歴史がない。
そのため、内部から倒すという発想はなく、ゆえに不満がある人は我慢するか脱北するかを選ぶそうです。
 
これには、儒教の国であるということも影響しています。
指導者に無条件に従うように、国民に儒教の価値観を通して叩き込みました。
つまり、北朝鮮では徹底的に個人を崇拝し、国のために戦うのも当たり前となっているのです。
このことにより、他の独裁国家にはいた反政府指導者が北朝鮮では極めて少なくなっています。
なので、大多数の国民は民主主義や市民革命の意義についてあまり理解していません。
 
ちなみに、拉致被害者である蓮池氏によると北朝鮮の新聞には金一族はやたらと修飾語が多いと証言しています。
「偉大なる~」「わが父」などなど・・。このように、北朝鮮ではとにかく金一族を崇拝するようにされているわけです。
 
これは社会主義が崩壊した東ヨーロッパ諸国との大きな違いとなっています。
というのも、東ヨーロッパでは多くの国民が市民革命や民主主義の意義を理解していたといわれています。
加えて、どこの国にも反政府指導者およびグループがいました。
だからこそ、ソ連や東欧は崩壊したにも関わらず、北朝鮮は現在も体制を維持しているといわれています。
 
 
③ 厳重なクーデター防止システムの存在
実は、北朝鮮でも何度かクーデター未遂が起きています。
しかし、そのたびに奇跡的に回避し、クーデターが起きないように仕組みを作っているそうです。
 
有名なのは、1992年の軍幹部によるクーデターです。
これは軍事パレードを利用して行われる予定だった、金日成親子の暗殺計画でした。
 
実は当時軍事パレードでは、戦車や装甲車などの兵器がパレードで使われていました。
普段平壌に洗車を持ち込むことは禁止されているため、この軍事パレードだけがチャンスとなっていたわけです。
 
しかし、このクーデター計画は直前になって戦車が乗り込めなかったた、計画は中止となりました。
その1年後に金正日の耳にその計画が入り、関係者は全員粛清されました。
 
金正日はこの1件からクーデターを非常に恐れ、クーデター防止システムをより強化しました。
 ① 北朝鮮にいる兵士を24時間監視している。少しでも怪しい兵士がいたら、すぐに逮捕できるようになっている。
 ② 外国の情報に極力触れさせない。外国人が北朝鮮へ旅行に来るときは、
 
④ 世襲制
 金一族の世襲制が続いていることも原因と言われています。
独裁体制の多くのは独裁者当人が死亡することによって終わるパターンは非常に多いです。
 
以前の金正恩や金正日も、他の独裁者と同じ末路になることを恐れていました。
他の独裁者の末路とは、自分の政権や体制の批判です。
自分たちの関係者や子孫にまで危害が加わる可能性を否定できない・・。
なんとしてもこの体制を維持したいと考えていました。
そこで、自分を批判しないもの、親族を最高指導者として採用することにしていたわけです。
 
ですが、残念ながら北朝鮮は世襲制を採用しています。そのため、今のトップがなくなっても子供にその権力の座が行くため、
結果的に体制が変わらないわけです。
 
また、後継者を完全に決める前に暗殺などが起きないように、厳重な警備かつ影武者を用意しているといわれています。
現在の金正恩の前の金正日は、影武者が最低4人はいたといわれています。
 
また、警備も厳重です。トップを4重にもわたる警備で守っているそうです。
この厳重な警備でがちがちにかためられ、暗殺を阻止しています。
 
※ちなみに、かつて金日成親子の暗殺が企てられたこともありましたが、こちらも失敗に終わりました。
 
つまり、トップが倒れないため政権が変わらないということになります。
 
⑤ 国民が貧しい
 国民が貧しいということも理由として挙げられます。
実は独裁国家がある程度存続する理由としてこの理由は結構大きいところがあります。
というのも、貧しいと日々の生活が精いっぱいとなり、クーデターなどを起こす余裕がなくなるわけです。
 
実は、国民が貧しいのは上の戦略ともいわれています。
これは噂なのですが、北朝鮮最高指導者として2代目の金正日は自身の権力が脅かされることを相当に怖がっていたといわれています。加えて、金正日が政権にいた当時世界中の多くの独裁者や社会主義国家が崩壊しました。
そこで、金正日はクーデターが起きないようにわざと国民を豊かにしすぎないようにしていたと言われています。
 
⑥ 北朝鮮は暴発しない
 「窮鼠猫を噛む」ということわざがある。
これは、弱い立場にあったとしてもいざ追い詰められれば、天敵に立ち向かい異常な力を出して反撃するという意味です。
北朝鮮も同様に、あまり追い詰めると戦争を仕掛けるのではないか?という懸念です。
ですが、多くの専門家は難しいと予測しています。
というのも、北朝鮮は現在経済制裁の関係で戦争に必要となる兵器を確保できないといわれているためです。
特に戦争でキーとなる「石油」ですが、北朝鮮は石油を十分に確保できない状態であると考えられています。
さらに、現在北朝鮮は多くの経済制裁を受けており、石油以外の資源も確保できない状態にあります。
 
つまり、戦争をおこして暴発するというのは北朝鮮はやりたくてもできない状態にあるといわれています。
 
 
以上北朝鮮が崩壊しない理由について書いてきました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

構成

・社会主義とは何か?

・崩壊しない国 北朝鮮について

・なぜソ連やユーゴスラビアは崩壊したのか?

 

・なぜ北朝鮮は崩壊しないのか?