「物」による仕掛け絡み テンビン編
キス釣りでの仕掛け絡みで意外と大きな原因に、テンビン、オモリ、仕掛けのバランスが挙げられます。
特にトーナメンターや上級者になると、仕掛けはもちろんのこと、テンビンやオモリまで自分でオリジナリティに満ちたアイテムを使用するケースが高くなります。
オラもキス釣りを始めた頃は、オモリとテンビンが一体になった、市販のジェットテンビン、KAISOテンビン、Lキャッチなんかを使ってました。
しかし、今では調子コイてしまって、全てを自作するようになってます😅
しかし、所詮は素人の趣味の域を脱しませんから、思い付きによる自己満の「トライアル」、名手が使っているテンビンの「パクリ」がいいとこ…
実際に使ってみて、いったい何回叫んだことか?
いかりや長介みたいに…
「ダメだこりゃ~」と(笑)
◼️市販テンビンVS.自作テンビン
これは決して自作テンビンが悪いと言っている訳ではありません。
また、オラに工作のセンスがないと言っている訳でもありません(笑)
自作したアイテムには、市販のテンビンにはない、作り主それぞれ独自のコンセプトに基づいた、熱い想いがあると理解して下されば幸いです。
市販のテンビンの特長は…
・機械による大量生産のため個々の誤差が少ない
・予めテストされたバランスの設計である
・誰にでも扱いやすく平均点の高い商品が多い
そのため、多くの釣具店で取り扱われており、釣具店で初心者から質問や要請があれば、スタッフさんかオススメしてくるテンビンです。
それに対して自作テンビンは、キャスター自身が求めるニーズを満たすため、市販のテンビンでは満たされない、「あの部分が欲しい」「あの部分を高めたい」に特化したタイプが多くなっています。
例えば…
アタリ(感度)をアップさせたい
飛距離を伸ばしたい
巻き上げ感を軽くしたい
多点針仕掛けでも絡みにくくしたい
などなど、初心者のうちは何も分からず、気にもしなかったことに「こだわり」を持ち始めます。
そして多くの人は、市販のテンビンをイジり始めたり、ステン線を仕入れてオリジナルのテンビン造りを目指します(笑)
感度アップ→オモリとテンビンの分離(通称:ブラテン)
飛距離アップ→テンビンのアームカット✂️
巻き上げ感アップ→フロートオモリの採用
多点針仕掛け絡み対策→ロングアームのテンビン
オラも様々なことをやりました。
中でも感度アップと多点針仕掛け絡み対策は、最も重要な双璧の要素だと思っています。
自分のキス釣りの弱点を補えて、なおかつ素材やパーツを購入すれば、市販のテンビンよりも確実に安く仕上げられるし、大量に作れて試作するアイデアも広がりますからね~
◼️アームの長さ
よ~く考えると、飛距離がアップすると、感度が落ちるのは当たり前です。
4色でピンギスのアタリは拾えたとしても、振動を伝えてくれる道糸の長さが増すため、8色では微妙なアタリが伝わり難くなります。
しかし、仮に8色投げないとキスが居ない、4色では全然釣れないという状況であれば、否が応でも遠投しないとボ○ズ確定か、チョイ投げでも釣れる場所を求めて場所移動を繰り返さないといけなくなります。
トーナメントは短時間勝負なので、場所移動はよくあることですが、もしも遠投力がアップすれば狙う奥行きが広くなり、移動する時間を省くことができます。
こんな体験を重ねると、自分の遠投力を伸ばすことだけでなく、テンビンに手を加えて10分の1色でも遠くまでエサを届けたくなるのが人情ってモンでしょう!
そこでテンビンをイジって飛距離を伸ばすためには、アームの長さを短くして出来るだけ空気抵抗を減らすことが効果的です。
アームをカットするのがその手段となりますが、次のような注意が必要です。
・2本のアーム先端同士の間隔は、広ければ広いほどチカラ糸と仕掛けを絡みにくくさせる効果がある。
・アームをカット✂️すると間隔が狭くなる。
・空中及び沈降中に仕掛けがクロスする確率が高くなる。
・多点針仕掛けの場合、仕掛け絡みのリスクを抱えることになる。
つまり、アームが長ければチカラ糸と仕掛けの間隔が広がり、短ければ狭くなるのは簡単にお分かり頂けるかと思います。
もしも仕掛け絡みを防ぎながら、飛距離を求めるのであれば、空気抵抗を減らすために…
①アームを短くカットする
②針数を減らす
③道糸を細くする
④投げ練を重ねて遠投力を磨く
⑤エサを小さく付ける
⑥余計なスナップは使用しない
ここまでやって初めて仕掛け絡みが減少し、満足の行く飛距離が得られるかも知れませんね。
針数も5本程度までであれば、これまで書いてきた内容を実施することで、仕掛け絡みなど起こりにくいと断言させて頂きます。
◼️アーム(ステンレス線径)の太さ
テンビンを自作するのは考えるだけでもワクワクするし、メチャメチャ妄想が働きます😍
もしかすると、キスを釣るよりもその楽しみのほうが大きいかも知れません。
しかし、市販のテンビンと違って、自作した物は得てして左右非対称だったり、ステン線の太さの違いで想定外の曲がりを示すこともあります。
太めのステン線を使う時の注意は…
・曲がりにくい
・振動伝達力は高い
・空気抵抗が大きい
・アタリがあってもバネ効果が低いため、フッキングしにくい
このようなメリット&デメリットがあることを頭に入れておきましょう。
逆に細めのステン線には…
・曲がりやすい
・振動伝達力は弱くなる
・空気抵抗は低い
・バネ効果でアタリを吸収してくれ、フッキングさせやすい
それぞれ反対の要素がありますから、自分のイメージを明確にして、設計書的なメモを作ってからパーツを選択し、自作すると良いかと思います。
オラはこれを怠って、行き当たりばったりの試作を繰り返し、どれだけの失敗作を産み出した(=パーツのムダ、手間と労力の墓場?)ことか…😅
前述のように、飛距離と感度は裏腹の関係にありますし、それに釣果を欲張って針数を出すと、仕掛け絡み産み放題(笑)なんてこともあります。
従って、テンビンを自作する時は、遠投用と近投用に分けることと、それぞれの針数を想定してからステン線の太さを決めてから始めると良いかも知れませんね。
◼️アーム同士の角度
最近流行り(?)の、アームが一直線状のストレートテンビンを除き、一般的に2本のアームは90度の角度になるように曲げて使用するものが多いです。
先ほどアームの長さを偉そうに語りましたが、この90角度を基本にしてみると、アームが長くなれば先端同士の間隔及びチカラ糸と仕掛けの間隔が広がって、短くなれば狭くなることが、より鮮明になります。
また、長さではなくアーム同士が作る角度を広げることで、その間隔が広がることも安易に想像がつくのではないでしょうか?
具体的に3パターンで考えると分かりやすいかも…
・180度
・120度
・ 90度
これらの角度は、それぞれの特色がありますが、大きく2つの要素だけピックアップしてみます。
・180度
アタリがダイレクトに伝わりやすく感度に特化
バネ効果がなくフッキングしにくい
・120度
2パターンの中間的なポジション
良いとこ取りだが特化していない
・ 90度
一般的なスタンダードな角度
感度は劣るがフッキングしやすい
ちなみにオラはこの10年ほどの期間、120度パターンを多用するようになりました。
理由はただ1つ。
仕掛けを絡ませずに多点針を使えて、連掛けができてバレも少ないから…
1つじゃありませんでしたね~(笑)
この120度パターンにしてからは、大会の成績も安定したし、ゾロゾロ連掛けの魔力にドンドン引き込まれております😅
イメージとしては…
・距離:波口から5色まで
・針数:8本から無制限(笑)
・感度:激シブから高活性まで
5色よりも沖に遠投して狙う場合は、固定のL字型テンビン(デルナーなど)のアームを90度に開いて、距離を基準にして使い分けています。
これは空気抵抗だけを考え、120度よりは90度のほうが飛距離を出しやすいと判断しているからです。
もしも遠投で良型がゾロゾロと連で釣れるような状態であれば、飛距離を出しにくいブラテンは諦めて、自分のMAX飛距離と針数の最大公約数を計算して対処することにしています。
しかし、アーム先端同士の間隔が広ければ、仕掛け絡みの発生率はグンと下がります。
特に中~近距離で高活性の状況であれば、多点針仕掛けを安心して投入できて、確実に連掛けさせるイメージが、オラの頭の中で出来上がっています😋
もっとも、トーナメントはレベルが違うエキスパートの皆様が群雄割拠されていますから、オラはなかなか上位まで食い込めていないのが悔しいんす…😂
まだまだ修行が足りんってことっすね(笑)
以上のように、キス釣りではテンビンの良し悪しが、釣果と成績を分けるとオラは確信しています。
どんなに高価なNewロッドを使っても、仕掛け絡みさせたままではキスは口を使ってくれません。
どんなに遠投できたとしても全く同じです。
是非ともテンビンの作成と試行錯誤を積み重ねて、自分の釣りの目的とニーズにマッチした、信頼できる「武器」を創造してみて下さい!
回を追う毎にダラダラの長文が威力を増している気がします(笑)
最後まで根気よくお読み下さった方々には、心から感謝を申し上げます🙇
次回は、テンビンとは切っても切り離せない、オモリと仕掛け絡みについてクダを巻いてみたいと思います!