キス連掛け狙い時の絡み
キス釣りの醍醐味の1つに、1投でゾロゾロと釣る「連掛け」があります。
この多点針仕掛けで狙う投げ釣りスタイルは、昔から「阿波釣法」とも呼ばれて人気を博しています。
その重要な技術を3つだけ挙げると…
・長い仕掛けを絡ませずに投げられる技術
・1匹掛けてから追い食いさせる技術
・手返しを時間を短縮させる技術
に集約されていて、キス釣りで得られる楽しみの本質であり、「連掛け」を狙う釣り方こそ、キス釣りの
崇高な目標であると考えています。
この技術が向上し広く浸透したことに対して、資源保護というお題目を掲げ、針数制限を設定するトーナメントも出てきました。
こんな主催者側の社会的見栄や主張が優先させることで、「絡ませずに」「連掛け」させるという素晴らしい技術を封じ込めようとしています。
これには賛否両論あるかも知れませんが、投げ釣りの衰退に繋がる選択だけに、キス釣りをこよなく愛するオラの個人的な気持ちとしては、残念で残念で仕方がありません…
と、ネガティブなことは相手にせずに、「連掛け」における仕掛け絡みについての、オラなりの蘊蓄を語らせて頂きます(笑)
◼️多点針仕掛けのデメリット
「一投多鱚」を可能にするためには、一投で釣ろうとする匹数以上の針数が必要になります。
初めて投げ釣りをする時に釣具店さんから勧められるのは、市販の2〜3本針仕掛けがほとんどです。
なぜ2〜3本針なんでしょうか?
仮にルアー釣りをしたことがある人に、最初から10本針仕掛けでやってみて貰えば、すぐにその答えが出てきます。
その答えはシンプルで、ビギナーには多点針仕掛けは使いこなせないということです。
逆に言えば…
・2〜3本針仕掛けなら何とかなるかも知れない
・仕掛け絡みで釣りが嫌になるのを防げる
・難しいスキルは少なく説明も短く済ませられる
こんなことが挙げられます。
釣具店さんが2〜3本針仕掛けをオススメするのには、ちゃんとした理由があるんすね。
まずは絡みにくい仕掛けを使って貰い、キス釣りの楽しみに触れて欲しい。
そして「また行きたい!」「また釣りたい!」となって、リピートしてくれたら最高ですからね😁
つまり、多点針仕掛けを使いこなし、絡ませずにゾロゾロと連掛けさせるには、それなりの経験を重ねないといけないのです。
針数が多いため、何かの拍子に針同士が重なり合い、トラブルが発生しやすくなるのは自明の理ですよね(笑)
◼️メンタルこそ最強の仕掛け
それでもなぜトーナメンターは、多点針仕掛けにチャレンジするのでしょうか?
その理由は…
「他人よりも数多く釣りたい」
「勝ちたい」
「上手くなりたい」
たったこれだけではないでしょうか?
「1匹でも釣れたら嬉しい」
「投げるだけで気持ちいい」
「楽しければそれでいい」
トップクラスの選手に、そんな気持ちの人は誰も居ないはず…
現状に満足してしまっていて、向上心や創意工夫すらないから、釣りのスキルアップは見込めない…
しかし、どんなジャンルの釣りにも、どんなレベルの人にも
「もっと大きい魚を釣りたい」
「もっと沢山の魚を釣りたい」
「釣果を誰かに認められたい」
という本能的かつ絶対的本質があることは否めませんので、釣り欲が高まらないほうか不自然なんです(笑)
仕掛け絡みで悩むのは当然
キス釣りをすれば誰もが通る道
だからと言って、針数を減らして仕掛け絡みを抑制してしまうと、釣果が伸びないだけでなく、現状のレベルから一向に上達しないことを理解して頂けるのではないでしょうか?
確かに多点針仕掛けは難しい
それは高いスキルが求められるから
でも挑戦してみれば意外にクリアできたりする
ここまで来ると、メンタル面がステップアップの秘訣であり、継続して上手くなるためのモチベーションになっていることに気付くはずです!
1回だけチャレンジしたものの、失敗して止めてしまっていないか?
成功や納得するまで、何度も何度も体験を積み重ねたか?
もしかしたら「食わず嫌い」「固定観念」じゃないか?
他人に質問しておきながら、その回答を試すこともなく否定していないか?
自分だけの狭い視野と低い目標で、現状に甘んじていないだろうか?
たかが趣味のキス釣りではありますが、どうせやるからには必ず自分の釣果に向き合うことが欠かせないと思います。
思っていた通りに釣れず、ダメだった1日を送ってしまうことなんか、メチャメチャ多いはずです。
素直に失敗を認めて原因を分析するか?
それとも運が悪かったんだと、すぐにポジティブ気分に摩り替えてしまうか?
たったそれだけの違いしかないと思います。
キス釣りにおける、その代表格こそハイリスクハイリターンの「多点針仕掛け」だと思うし、仕掛け絡みを克服するためにチャレンジするか否かの分かれ目だと思っています。
でも…
仕掛け絡みのおかげでストレスが溜まり、釣り自体が嫌になってしまうような人の場合、鬱憤晴らしにもならず滅入ってしまいそう…😥
そんな感覚になってしまったら、自分にマッチした別の楽しみ方を見付けたほうがいいかも知れませんね。
◼️連掛けの必要性と想い
ここまで迷路に入ったみたいな話しでしたが、今回はこれからが本題です(笑)
キス釣りで連掛けを狙うのは当たり前です。
これをしなくて何がキス釣りなんだ?
と、言いたくなります😅
オラなりの連掛けのパターンは次の通り…
・まず最初の1匹のアタリをキャッチ
・その距離を頭にインプット
・仕掛けを止めて追い食いを待つ
・竿の操作で掛かったキスを動かす
・周囲のキスにエサの存在をアピールする
・再び仕掛けをめ止めて追い食いを待つ
・針掛かりした数をカウントする(イメージ)
・追い食いが止まったらスローにサビく
・またアタリがあったら距離をインプット
・満貫に近いと判断したら回収開始
・ヒットゾーンの幅をインプット
・水面に出さず、海底に当てず、中層で回収
・波口でのバラシと仕掛け絡み発生を抑制
・針数に対するフッキング割合をインプット
・中抜け、掛からなかった針の位置をインプット
・複数針を食ったキスが居ないかチェック
・魚外し時の仕掛け絡み防止
・エサの残り具合チェック
・エサ付け
そして次のキャストでは…
・仕掛け交換の有無を判断
・フッキング割合から針数を選択
・投入する距離を決定(最初のアタリより半色冲)
・ヒットゾーンまでは早巻き&シェイクで魅せる
・ヒットゾーンからは適切速度をサーチ
これの繰り返しとなっています。
もちろん、キスの群れが大きく、活性が高い時のイメージです。
とは言っても、大会では常に連掛けを狙っていて、低活性の状況だったとしても、アタリがあったらリーリングの手を止めるとか、少なくともデッドスローで引くとか、何らかの作業を加えて悪あがきをしながら引いています。
特にシブい時は、検量での重量の差が出にくいので、1匹を大切にしながらも、ラスト1投での連掛け逆転に期待します。
なんたって、10グラム未満の差で涙を飲んだ経験は何度もあるし、1グラム差だったことも…
だからこそ、仕掛け絡みのリスクを承知の上で、ギリギリの線で連掛けを狙う意味を、ご理解頂けるのではないでしょうか?
◼️引く速度が仕掛け絡みの分岐点
この釣り方で最も仕掛け絡みが発生するのは、最初のアタリをキャッチしてからの、サビくスピードが大半を占めると思っています。
妄想を働かせると、こんな区分けになりそう…
速い→キスが追い付かない→追い食いが少ない→単発や中抜けが発生
適度→キスが違和感なく捕食→ゾロゾロ連掛け
遅い→1匹が複数針を呑み込む→連掛け可能な針の数が減る→仕掛け絡みが発生する→グシャグシャ…
従って大会では、いかに短時間でサビく適切なスピードを把握できるかのウエイトが高くなります。
競技開始からの1~2投で適切な判断が出来れば、その後の組み立てが、明確なって納得の結果を出せるケースが増えます。
また、朝イチは誰もが仕掛けを通していないし、オモリでバシバシ叩かれていないマッサラな状態なので、いわゆる「モーニングサービス」を享受できる最高のシチュエーションです。
そんな第1投で、もしもアタリがないまま仕掛け回収となった時の、泣きたくなる心境はよく分かって頂けるのでは…
しかも、それが仕掛け絡みが原因だったとしたら...
恥ずかしくて
悔しくて
出来るモンなら、ドラえもんにタイムマシーンを頼みたくなります(笑)
この時の仕掛け絡みの原因分析は非常に大事。
どこが悪かったのか?
対応や変更が可能なのか?
その正しい判断は一朝一夕にはできません。
何回も失敗と解決の経験を重ねないと、また同じミスを繰り返す絡みスパイラルに陥ります。
ここまでお読み下されば、いかにキス釣りが奥深く、物凄く幅広い判断力が求められることが理解できるのではないでしょうか?
オラ程度のレベルでは、単純に「これをこうすれば…」などと講釈なんかできません(笑)
トラブルや弱点の要因が何なのかを、あらゆるファクターを頭の中に並べながらチョイスしなければ、ちんぷんかんぷんな誤った判断をしてしまいます。
だからキス釣りは楽しいんです。
だから経験と鍛練と工夫が必要なんです。
仕掛けを絡ませずにゾロゾロと連掛けできた時は、誰もが楽しくドヤ顔をしているはず…😙
これがあるから止められないんす。
これを目指すから続ける楽しみがあるんす。
しかも上達すればするほど、まぐれ当たりではなくシッカリと結果が出ますし、釣果が一気に安定してきます。
その障害物となるのは
「固定観念」と「狭い視野」です。
上級者からアドバイスされたことを、素直にトライしてみるチャレンジ精神、好奇心、柔軟なメンタルが最強の武器になるとオラは信じています。
ここまでお読み下さいまして、ホントにありがとうございます🙇
調子コイて、精神論を語ってしまいました…
多少の誤字脱字、変換ミス、間違った表現があるかも知れませんが、笑ってお許し下さいませ😅
次回は全国共通の1級ポイントであり、バラシと絡みが発生しやすい波口(=波打ち際)について、蘊蓄を並べたいと思ってます!