「トランギアのアルコールバーナー」

 

キャンプに行った翌日の朝。

火をおこすのが面倒です。

 

薪の直火に鍋をかけるのが嫌なので、炭を熾すのですが、手間ばかりで

いっこうに捗りません。

「なんとか手軽にできないものか」

 

ガスコンロを持っていけば一件落着なのですが、

「それも違うのだよね」

 

で、結果的に落ち着いたのが、アルコールバーナー。

超原始的。カップにアルコールを注ぎ入れて火を点けるだけ。

「でもどれにすればいいの?」

メーカーがいろいろで悩んでしまいます。

「元祖的なやつって何?」

 

トランギア。

らしいです。

 

で、立ち寄ったキャンプ用品店で何気に見つけてしまいました。

「これもなにかの縁でしょ」

 

さっそく開けてみる。

「何これ、カワイイ」

胸を「ズキューン」と射抜かれました。

ものすごく単純で、足すも引くもない感じ。

 

で、バイオエタノールを注ぎ入れて点火してみる。

「ん?」

「点いた?」

点いたかどうだか分かりません。

手をかざしてみる。

「熱っ!!」

点いてました。

炎が見えづらいです。

 

最初のうちは炎が小さくて見えづらいようです。

次第に容器と燃料が温まって、気化が進み炎が大きくなっていきます。

「美しい!」

旅館で見る固形燃料より火力は強そうです。

「これ、ご飯炊けるやーん」

実際、50mlほどの燃料アルコールで20分ほど点いていましたので、ご飯は炊けそうです。

 

 

「すげー静かだな」

アルコールランプでもご承知のとおり、燃焼に伴う音が一切ありません。

真鍮製の躯体が徐々に煤けていきます。

「味わい深いね」

 

初めて扱ったので、いろいろ試したくなります。

「五徳を触ってみよう→熱っ!」

「底は暑いかな→熱っ!!」

結果的に、全て熱いです。

特に、底面は思っていた以上に熱くなりますので、置く場所に気をつけなければなりませんね。

 

だいたい500mlの水を沸かすのに10分程度要します。

やはりお米は十分に炊けそうです。

 

「これ、消すのどうするの?」

って、そのまま放置も良いですし、

蓋をおけば一瞬で消えます。

「小学校の理科みたい」

人生で必要なことは小学校までに教わっているようです。

 

使用後のアルコールバーナーも美しいです。

真鍮の躯体が煤けて、それが味になっています。

「何、この、愛らしさ」

「手の中で輝いているよ」

完成された道具の美しさは異常です。

 

「これさえあれば、キャンプの朝飯の心配はいらないぜ」

カップ麺と、レトルト食品。ちょっと頑張ってご飯も炊ける。

キャンプの朝はなにかと忙しい。

 

とても良いものを手に入れたな。

「撫でていよう。ずっと、ずっと」

本当に良いものを手に入れた。

 

どんなものでも一生物。

 

では。