「サングラス」

いくつかのサングラスを使いまわしています。

でも、愛着のあるサングラスは一つ。
高校卒業後にアルバイトして初めて買ったもの。

真鍮の細めのフレームで、パッドアームにパッドがついた
オーソドックスなスタイル。レンズ部分は丸くなく、四角っぽい。

 



アル・パチーノの主演映画『カリートの道』で主人公のパチーノがかけていたサングラスに憧れて似たスタイルにしました。
この頃は何でも受け売り。サングラスはパチーノ。長袖シャツを腕まくりして、ロングの肌着を出すのはデ・ニーロ。

「デ・ニーロと同じ場所にホクロができりゃいいのに」と本気で悩んでいました。

さて、サングラス。
購入してかれこれ30年ほどの年を経ようとしています。
歴代乗り継いだ車にもずっと乗せていました。
「いろいろなところに一緒に行ったよねぇ」

一度などは、助手席に置いていたところ、
職場の同僚の下敷きとなり、完全にひしゃげてしまいました。
「このサングラス一個ほどの価値もないおまえが!死ね!死んで償え!」と
某漫画の美食家の台詞をこころの中で叫びました。

この時ばかりは、普段は寄らないような、チェーン店ではない街の眼鏡屋さんに修理を依頼。
治っただけではなく、歪みの補正とパッドの角度調整などが施され、むしろ新品のようになって帰ってきました。
「さすが街の眼鏡屋さん」
レンズも新しく入れ替えて3,000円也。

修理した時にお店の人に言われた言葉、
「この眼鏡はいまどき珍しい。フレームに細かく飾り彫があるし、今はこんな手間はかけていない。お大事になすってください」と、中島先生ばりにおっしゃっていただきました。

 



爾来、幾数年。
眼鏡屋さんからは毎年年賀状が届きます。

年賀状を拝見するたびに思うこと、
「お店に伺わないのは、大事に大事に使っているからですよ〜」

どんなものも一生もの。

では。