「絞り環」。

「私の趣味はこれです」と言えるものはありません。
読書? ほとんど読みません。
音楽鑑賞? じっと座っていられません。
映画鑑賞? トイレに行きたくなります。
鉄道? 移動手段です。
車? お金がかかり過ぎます。
運動? 致命的に運動音痴です。

あえて、趣味的なものとして、「写真」は好きです。
好きとは言え、わざわざ撮影に行きませんし、
撮影法やプリントに拘りはありません。
人並みに「家族」のアルバムを作るのみです。

とは言え、カメラの仕様には最低限の拘りがあります。
即ち、
・マニュアルで撮影できること。
・最低でも4,000分の1秒が切れること。
あともう一つ。絶対に譲れない機能は、
「レンズの絞り環」です。

露出と被写界深度は手元で素早く自由に変えられるに越したことはない。
つまり、距離環と絞り環を一連の動作で稼働させることができるのが、
「レンズの絞り環」の利点です。

これは本当に譲れない。

「絞り環のないレンズなんて…」。

富士フィルムの「Xシリーズ」は「絞り環」を有しており、
至極まっとうなレンズです。
特に、「距離環」、「絞り環」ともに金属製で、
ローレット加工が施されており、使い勝手と見た目の高級感が
両立しているのが魅力です。

こんなこと書いていると、趣味のように見えますが、
写真はあくまで、「文化的な最低限度の生活」を営むためのもので、
趣味ではありません。

デジタル写真が銀塩を淘汰した現在、
写真はかつてより一層身近になり、生活の一部になったと言えるでしょう。

16ギガバイトのメモリがコンビニで1,000円程度で売られていました。
256「メガ」バイトのコンパクトフラッシュが20,000円近かった時代も
あったというのに。

いずれ近いうちに「ペタバイト」という言葉が生活の中に現れることでしょう。
しかし、情報量の単位がどんなに増えて行こうとも、
「絞り環」だけはレンズと共にあって欲しいと願う。
 

では。