旦那が戻ってからは生活が一変した。

何年か旦那が自由を謳歌している間、私も旦那に縛られず自由に暮らしていたのだ。勿論婚姻関係が続いているので不倫はしていないが旦那に使っていた時間は自由になり、旦那に気を遣う事が無かった。

私自身が他者との共同生活というものが向いていないのかもしれない、と気付いてしまったのだ。

旦那が居る生活に慣れるのにも別居された時と同様、時間が必要だった。


旦那は旦那でしばらく神経が過敏になっていた。

寝られなかったり、私や子供が物音を立てるとうるさいと言ったり、私と子供が言い合いをしているとめんどくせーな!うっせー!と怒鳴ったり。


私はしばらく経っても不倫女と陰で何か企んでいるのではないかと疑っていた。


1年経ち、あることがきっかけで家族全員の雰囲気が変わった。

更に夫婦2人の時間を取るようになった。

2人で出かけるようになった。

以前のように冗談を言い合うようになった。


しかし、不倫女に必死に伝えていたような、恥ずかしくなるようなポエムはない。

謝罪の言葉も無い。

だが、私はそんな言葉はいらない。

言われても白々しい気持ちになってしまう。

私や子供を置き去りにし、不倫女とのぼせ上がったオジサンだ。


そんな旦那だが、私に感謝しているという事は不倫中も私に言っていたし、今も言ってくる。

第三者にもそう言っていたとその人から聞いた。


私は旦那にとって、好きとか愛しているとかではなく、ありがたいという存在らしい。


そりゃそうだ。

自分は自ら不倫して勝手に人生リセットしたつもりで不倫女と楽しんでいたのだ。

その間、私が子を育ててきのだ。

子育ての時間は限られている。

その限られた時間の数年間を知らない女に使っていたのだ。


不倫女と生活してみたら、あれが気に食わない、これが気に食わない、あれしろ、これしろ、と要求ばかりされて、監視されて、子供の存在を消せと言われて、どんどん要求はエスカレートしていく。

有責でも本気を出せば離婚できるはずだ、と毎日責められ、暴力をふるわれ、どんどん疲弊していく。


こんなはずじゃなかったのに、ただ楽しく恋愛したかっただけなのに。


奴らのお花畑でのキャハハウフフの不倫は焼き野原となった。


不倫者たちには何が残った?

楽しかった思い出?

邪魔者がいる恋愛は楽しかったですか?


私と子供には何が残った?





私は今でも忘れる事はできない。

たぶん、一生。


それでも平穏な生活を送るのが私にとって一番大切なことなのだ。

不倫が原因の喧嘩や話し合いはもううんざりで、それをしたところで‥嘘、ごまかしか‥と思ってしまうのだ。想像するだけで全てが面倒くさい。


夫婦で向き合うために意見を言い合うのは良いこともあるかもしれないが、知らん他人、尚且つ加害者を話し合いに出すことすら気持ち悪い。

そもそも不倫して何年も知らん女と同棲していた奴と向き合うって意味すらもはやわからない。


それが私が旦那を責めない、不倫の話題を出さない理由の1つである。


面倒臭いことは大嫌いだから自分が今精神的に平穏に暮らせればそれで良い。

結局、私も自分が1番大切なのだ。