それでも変わらずたまに家に来ては夜中に出ていくという日々が続いた。

次の旅行の予定を立て、旦那にとりあえず試しに「一緒に行きますか?」と言ったら、「行こうかな。」と。


想定外で驚きと焦りが入り混じった感情だった。


どうしよう。

中止にするか?

いや、どうせドタキャンするに決まってる。


その予想は外れた。

思い返せば、いつの間にか約束は必ず守るようになっていた。

ビジネスと捉えてきたのか?


不倫は続いているはず。

それなのに何故?


旅行に行っても夜二人きりになると会話無しの気まずい空気が流れた。

私は演技をしきれなかった。

一体何が起こっているのだと考えて笑えなかった。


旅行が終わっても何も聞けずまま、また忙しい日々を過ごしていた。




実のところ、旦那はこの頃、家に戻ろうかと思っていたのだ。

自分が戻れるのか、私や子供の様子を伺いながら。

ズルい勝手な男だ。