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アルバム曲紹介02.心情呼吸

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おはようございます!

アルバム収録曲全曲紹介
第2弾。

曲順に紹介していこうと思いまっす!

始めたばかりだが、
これ、なかなかの途方もないな。笑

しかし、改めて曲を作った時の心境を
振り返れるので、
できる範囲で丁寧に紹介していこうと思う。

シングル曲も純粋なアルバム曲。
シングルを飛ばす訳にはいかない。




アルバム『アイリー』
2曲目となる曲は

6thシングル『心情呼吸』だ。

M2.心情呼吸

素直に、この曲が無ければ
僕は『アイリー』という
アルバムを作る事はなかったと思う。

それどころか、音楽業界から
足を洗っていたかもしれない。

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ドラマ『ペテロの葬列』の主題歌の
お話を頂いたのは、
2014年の春先だったと思う。

前作のドラマ『名もなき毒』の御縁もあり、

宮部みゆきさんの『ペテロの葬列』の
原作である小説を、僕は既に読み終えていた。

宮部さんが生み出すストーリーは
良い意味で話に完結がない。

ストーリーを終わらせるかは、
受け取る側である僕ら次第なのだ。

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ちょうどその時の僕は、
音楽家としての自分のビジョンを
上手く描けずに居た。

上手くいかない。できない。
だからこそ、楽しくない。

悪循環と空回りのサイクルの中に
僕は居たと思う。

きっと、音楽自体は、いつも楽しい。
仕事だけど、好きな事だからだ。

だけども、音楽を囲む上で存在した
人間関係に、嫌気がさし始めていた時期だ。

それは酷い状況だった。

しかし、

結果的に僕にとって
抜群のタイミングで
訪れた壁だったのだと思う。

人間関係における、日常に潜む心の闇。
ストーリーが、心にスッと入ってきた。

抱え込んでいたものがあったからこそ、
作品を創るぞという意欲が湧いてきた。


悲しさだって素直に悲しいと言えるなら
嬉々 嬉しくなるよ ありのままを
歌詞より抜粋


アルバムのタイトル『アイリー』
様々な意味は、以前にブログでも紹介したが、

直訳すると『嬉しい』『喜び』といった、
とても前向きでキラキラした言葉だ。

僕がこのアルバムで
描きたいと思った『嬉しさ』

『心情呼吸』が教えてくれた『嬉しさ』だった。

心情呼吸に続き、今回のアルバムも
『ハート』を描いているのも、
この『嬉しさ』が全ての始まりだったからだ。

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あの時、

『嬉しい』時ってどんな時だろう?
考えた時に真っ先に浮かんで来たのが、

『素直でいられる時』だった。
今考えたら、意外な答えだ。

その時の僕は、
よほど我慢していたのだろうか。

悲しいって素直に言えたら、
もうそれだけで本当に嬉しかったんだろう。

本音が溢れる。

ハートが垂れるネオンを作った
心情呼吸のジャケットにもここが反映された。

嬉しさにも色々あるんだ。
面白い。

じゃあその逆で、
『悲しい』ってどんな時だろう?と考えた。

真っ先に浮かんできたのは、
『やろうともしない時』だった。

出来るか、出来ないか、の前に、
やろうともしない事。

そして僕は、
まだ死んでいなかった自分の
『やりたい、変えたい、と思う気持ち』
に気付いた。

もどかしい、あの時の僕の心境が、
そのまま歌詞に反映されている。


届けたくて 泣いてるんだ
届かなくて 泣いてるんじゃない
笑いたくて 信じたくて
流れる涙は どれだけ美しいんだろう
歌詞より抜粋

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この曲を作って、
2年が経とうとしている。

相変わらず僕は
存在しないかもしれない答えを模索している。

時に周りからは言いたい放題言われながらも
それになんとか耐え、歯を食いしばっている。

当たり前だけど、本音を伝えない事なんて、
結局のところ、よくあるんだ。

ただ、僕は隠れながらもその本音が
しっかりと自分に見えている事が、嬉しい。

それを共有してくれようとする人が
今はまだ少なくても、

居てくれる事が、嬉しい。

たった2年だけども、

僕があの時、
届けたくて溢した涙は

届けられた笑顔に
変わっているのだろうか。

その答えはまだ知らないけど

届けようとした事で
生まれたこのアルバムが、

誰かの、まだ生きている
『やりたい、変えたい』
という心情へ

伝う事を願って。