こんにちは。
元日に起きた『令和５年能登半島地震』でお亡くなりになられた方、
被害に遭われた皆様に、心よりお悔やみ申し上げます。
今日は、前回の続きでチューリッヒのギルドハウス（ドイツ語ではツンフトハウス）について
お話しさせてください。
チューリッヒの旧市街地では、ところどころに中世の趣が色濃く残されています。
1519年に起こった宗教改革の歴史的な建物はチューリッヒの貴重な歴史遺産ですが、
もう一つチューリッヒの繁栄に大きく影響したのが、『ギルドハウス』ドイツ語では『ツンフトハウス』
があります。
1336年に登場する『ギルド』とは職業別の組合のことです。
様々な職業の職人達が集まり、このギルドハウスでの会合を行い、勢力を増していきました。
後に、貴族社会を封じ込めるきっかけにもなった歴史を変えた制度がギルド革命です。
「チューリッヒで美味しいスイス郷土料理を食べたいんだけど、どこがいいですか。」
と聞かれるお客様が多いんですが、
「ツンフトハウスのレストランの一つはいかがでしょう」とお薦めします。
美味しいのはもちろんのこと、
建物がとても歴史的でその内装も13-14世紀を感じさせる素晴らしいレストランでもあります。
スイスを支配していたローマ帝国が滅び、6世紀にゲルマン系のフランク族が徐々に移動してきました。
スイスはヨーロッパの産業貿易にはとても大切な位置にあったことから、
カール大帝の時代を最盛期を迎えた頃、職人達の存在が貴重な立場を獲得していきます。
次第に皇帝に取り入る様々職人が登場し、チューリッヒの貿易はますます繁栄していきました。
チューリッヒの商工業を大きく支えた職人の会合の場が、このギルドハウス（ツンフトハウス）なのです。
私がよくお勧めするレストランは下記のツンフトハウスです。
レストランの名前をクリックしていただくと、ホームページにリンクしますので、
ご参照ください。
繁忙期（夏季やクリスマスの時期）には数日前からの予約が必要なこともあります。
Limmatquai 42, 8001 Zürich
Tel. +41 44 261 9566
Limmatquai 40, 8001 Zürich
Tel. +41 44 250 5363
Münsterhof 8, 8001 Zürich
Tel. +41 44 216 9966
Weinpl. 2, 8001 Zürich
Tel. +41 44 227 2113
Münsterhof 20, 8001 Zürich
Tel. + 41 44 211 2144
今回私がお客様をお連れしたのは、『Zunfthaus zur Zimmerleuten』です。
お仕事中だったこともあり、外観の写真を写せなかったので、ごめんなさい。
お客様がチーズフォンデュを食べられたいとのことだったのですが、
こちらのツンフトハウスは匂いが籠らないように、
フォンデュやラクレット系は外での食事となるそうです。
ここしか予約が取れなかったので（夜はここも満席）、
暖かい日でもあったので、外でのお食事となりました。
前方にはリマト川が流れています。
向かって右は、チューリッヒで一番古い教会のセント ピーター教会。
この教会の文字盤、見えますか？
この文字盤はヨーロッパで最大で、時針は3メートル、分針は4メートルもあるんです。
ここからはそんなに大きいく感じませんが、近くに行くとびっくりしますよ。
いつかチューリッヒの教会の特集もしますね。
向かって左の緑の屋根の教会はフラウミュンスター（聖母教会）です。
ここには、２０世紀に製作した、シャガールのステンドグラスがあります。
とても見応えのある美しい教会です。
フォンデュとともに、注文したのが、左手前に写っている、
子羊の肉を、玉ねぎとマッシュルームと一緒にクリームでじっくり煮込んだチューリッヒの郷土料理、
『ツーヒァー ゲシュネッツェルテス Zürcher geschnetzeltes』と
付け合わせのポテト料理、『レーシュティ Rösti』です。
どちらも美味しかったですよ。お客様も喜んでおられました。
せっかくなので、レストランの人に頼んで、内装の見学もさせてもらいました。
前回、ティアゲルのブログに、ティアゲルのお菓子を焼く型として、
これをご紹介しましたね。
これは、ギルド職人の様々な様子を描いたものですが、
このギルド職人達が、いつも会合に利用していたこのギルドハウスは、
チューリッヒの発展に大きな貢献をしたのです。
一見豪華な美しいレストランなのですが、
実は長く深い歴史を伝授してきた貴重な歴史博物館でもあるんですね。
皆様も、チューリッヒに来られた際は、
一度ギルドハウス（ツンフトハウス）でお召し上がりになってください。
伝統あふれるツンフトハウスなら、素晴らしいチューリッヒの郷土料理が味わえると思います。
お食事が終わり、お仕事の時間も終わっていたのですが、
私が行きたいこともあり、ご一緒にクリスマスマーケットも寄ってきました。
その時にこんなものも見つけました。
これならクッキー可愛く作れそうですね。
12月のお仕事が終わり、
春頃まで、今のところは私の日本からのお客様のご予約はありません。
それで思い切って、一月末に日本に里帰りすることになりました。
もっと滞在したいところですが、こちらでお勤めもしているもんで
日本行きは夏休みにも残しておきたいので、今回は二週間だけです。
ちょうど息子くんも試験が終わるので、さくっと母の顔を見てまいります。
それでは皆様、寒さ厳しい時ですが、
ご自愛くださいませ。
アキ