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みなさま、パラリンピックが今日から始まりますね。
どうかどうかこれ以上陽性の選手が出ませんように!!
オリンピック陸上競技フランスチームの合宿のお仕事の経験談の締めに、
今回は、選手たちのちょっとしたエピソードをお話ししたいと思います。
一つ目は、800メートル競技の女性選手、『ラメル』さん。
ある日朝食後に競技場行きのバスに乗り込む前、彼女が私に聞いてきました。
「あのね、こんな黒いヘアゴムをみたことないかな。。」
ヘアゴムと言われても、特別に飾りがあったわけではなく、しかも黒。。。
新しいヘアゴム、買ってこようか?と聞くと、
それはちょっと違う感じのニュアンスで「もし見つかればいいんだけど。。」とのこと。
この日は早朝に陸上競技場に行かなくては行けない日だったので、
とりあえず彼女を連れて、シャトルバスに乗り込みました。
競技場についてから、
ホテル側にいたスタッフの人たちにLINEで黒ゴムを探してもらえるように
お願いする。
誰もみていないらしい。
「他のものでは代行できないの?」との誰かのメッセージを読んで、
ふっと気づいた。
もしかして。。。
彼女がちょうどすぐ近くにいたので聞いてみた。
「もしかして、そのゴムってあなたにとって幸運の鍵のようなもの?(縁起を担ぐもの)」
「うん、そうなの。。。」と残念そうな彼女。
それを聞いて、またまたその件も同時に他のスタッフにメールにて再度お願い。
実はグループチャットは3つほど別にあるんだけど、
今回送ったチャットは全員で50人以上参加しているもの。
旅行社のスタッフ、県や市の職員関係者、ホテルのスタッフ、
陸上競技の職員の方などがリストに入っている。
ホテルのスタッフの一人が、そのようなものをレストランで見つけて、案内デスクに預けたのこと。
見たことがある、という人もいたけれど、結局見つからなかった。
それで夕方に彼女に見つからなかったことを打ち明けると、
「探してくれてありがとう。なかったらしょうがないわ。気にしないでね。」
ところが次の日の朝、彼女が私のところに飛んできてこう言ってきた。
「アキ、ごめんね。探してたヘアゴム、お部屋で見つけたわ。」
「そっか、それは良かった。これで思い切り走れるね。」って一緒に喜んだら、
彼女はこう言ってくれた。
「オリンピックの会場でこのゴムを結ぶときに、
あなたたちのことを考えて走るからね。」
残念ながら、メダルには届かなかったけれど、
彼女の最後のあの言葉で、
なんとなくフンワカ優しい気持ちになりました。
思い通りに走れたかな。
そうだといいね。
🔺ヘアーゴムを結び直す、ラメルさん
(偶然撮影してました。)
でもね、この話には落ちがあって、
選手が選手村に出発してしまったあとに、あるあるの忘れ物!
ホテルの人が渡してくれた、レネルさんの忘れ物リストの中に
「ヘアクリップ」が入ってました笑
ちなみに他の選手もいろいろお忘れになっていて、
驚いたのが、めっちゃくちゃ高額のスパイクシューズ!
オリンピックでは履き慣れたシューズ履かないんかい??
その他、Tシャツやら、髭剃りやら、プラグやら、
なぜか鍋敷き??ん??
二つ目のエピソードは、旗手を努めるために、合宿中、一泊2日で選手村に出張に出かけた、
『タンゴ』さんと『ザンゴ』さんのお話。
ザンゴさんは三段跳びの選手で、出身はワガドゥグー。
ここは、かつてフランスの植民地だったことのある、中央アフリカの国、 Burkina Fasoの首都。
ブルキナ・ファソの旗
彼はそのブルキナ・ファソの旗手として、オリンピックの開会式に参加しました。
説明には及びませんが、ワガドゥグーの選手は、フランスチームとして練習に参加しています。
タンゴさんは、ザンゴさんのコーチ。
彼はインドア(屋内)3段ジャンプで17.92mと世界記録保持者。
とても大きい方ですが、穏やかで優しい声をしています。
さて、二人は日本のスタッフに連れられて、神戸空港から羽田空港へ向かい、
そこから選手専用のシャトルバスでオリンピック村に到着、夕方に開会式に出席。
選手村で一泊したら、翌日は自力で羽田空港まで向かい、
羽田空港で日本人のスタッフと待ち合わせと言う予定になっていました。
選手村から空港までのシャトルバスには、選手以外は乗れないからです。
羽田発15時30分の神戸空港行きの飛行機に乗るためには、
12時50分か13時50分選手村発のシャトルバスに乗らなくていけません。
シャトルバスに乗り込んだら、すぐに私に電話をするようにお願いしていました。
前もって二人の電話番号と私のものを交換していたのですが、
待てど暮らせど電話はありません。
時はすでに13時30分。
流石に心配になってこちらから電話を入れると、
のんびりとした声でタンゴさんが電話に出ました。
「タンゴさん? 元気?
今、どこにいる?」
「うん、元気だよ。
今、選手村にいる。」
「えっと。。。。バス停に向かってるんかな?」
「いや、、、まだ。
それが、バス停がどこかわからなくてね。」
おいおい。
バスの出発13時50分やで。
「それじゃあ、その辺にいる日本人に、電話に出てもらってくれる?
誰でもいいから!!」
焦りを抑えながら、落ち着いた口調で私は叫ぶ(叫んどる笑)
しばらく雑音。。。
結構時間かかる。
電話口で待つしか術はなし。
親切そうな日本人が電話に出てくれる。
理由を説明して、羽田空港国内ターミナル1に行ける選手用シャトルバスのバス停を
彼らに説明してもらえるようにお願いした。
親切な日本人お二人のおかげで、(感謝🙏)
無事二人はシャトルバスに乗って、羽田空港で日本人スタッフと合流、
涼しい顔で神戸のホテルに戻って来られた。(ホッ)
それにしても、のんびりとしたタンゴさん。どんな時でも根性座っとる。
さすがオリンピックの選手!!
おかえり〜タンゴさん、ザンゴさん
帰ってきてくれて嬉しいよ💓
三つ目は、練習に怪我をして、選手村にも行けなかった、
女子400メートルリレー選手の『ディアナ』さんのお話。
リレーの女子の練習はとても華やか。
バトン渡しやカーブの練習をよく目にしましたが、
迫力いっぱいで、見応えがあります。
その中でディアナさんは練習中に足を痛めてしまいました。
ホテルで彼女が歩いているのを見ていると、
とても痛そうにびっこを引いていて、痛々しかったです。
その数日後に、彼女がオリンピックの競技に棄権しなくてはいけないことを知りました。
危険どころが、選手村にも行けないらしいんです。
これもコロナ禍の人数制限の一環なのでしょうが、
フランスで厳しい競争に勝ち抜いて、
遥々日本までやってきたのに、
怪我をしたって、コロナに罹ったわけでもないのに、
どんな基準で選手村に行けなくなるん??
リレーの他の選手を励ますだけでも、チームの力になるはずなのに!!
なんでIOC会長のバッハさんは、銀座もプラプラできるのに、
ディアナさんは選手村にも行けないの??
彼女は合宿最終日、パリに帰るチームと一緒にフランスに発ちました。
当日、彼女に日本の扇子と、招き猫のお財布を個人的にプレゼントしました。
🔺ちょうど、こんな感じのお財布です。
「招き猫は幸福を呼ぶんだよ。」
って言ったら、すごく興味を持って聞いてきた。
「なんの幸福? どんな幸福も?」
「うん!願っていればきっとやってくるよ。
だから、応援してるからね。」
そしたら、初めて、
本当に初めて彼女の笑顔を見ることができました。
きっと大丈夫。
まだまだ若いもんね。
次はフランスのオリンピック!
きっと会えるよね。
みんなで応援してるね!
頑張れ〜🇫🇷🇫🇷🇫🇷
夕暮れの陸上競技場。
きっと明日も晴れるね。
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