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スイスの高等学校のシステムについてを前回に続けてご紹介させていただいてます。
スイスの高校生活は4年間。
学校は朝7時半から始まり、夕方17時までぎっしり時間割が詰まっています。
バスと電車を乗り継いで、片道45分かかるので、
6時45分に家を出なくては行けなくて、冬なんて真っ暗な中を毎日バス停まで走っております。
授業の科目は、クラスによって専攻するコースが異なるんですが、
うちの息子の受けている教科は下記のようになります。
ドイツ語
英語
フランス語
化学
物理学(フィジック)
地理学
歴史
エコノミー
経済学
ビジネス法律学
マイクロエコノミー
音楽
⬆️この上記の科目で獲得した点数(通常のテスト、ミニテストやプレゼン、宿題も兼ねて)
によって、学期末に『評価ポイント』として計算され、合否が決まります。
評価の合否に関わらないのですが、科目の中には「体育」もあります。
体育の時間、冬には近くの山の麓でクロスカントリー、夏はハイキングなどもあり、
楽しそうで、息子くんは体育はすごくいい評価をもらいますが、
これは残念ながらプロモーション(合否の評価)には入りません。
(玄関ホール。左にはロッカーが並んでいます。👇)
評価の点数は、
『1点』〜『6点』 まであります。
1点が最低点、6点が最高点。
4が合格の線です。
評価の仕方がちょっと複雑なんですが、
テストの点数が『4点』だと、評価ポイントが『0』となります。
評価ポイントが『0』以上だったら、合格ということになるんです。
テストの点が『1点』〜『6点』というのは、日本の100点制とは違うので分かりにくいですよね。
日本の100点が『6点』ということになります。
下の表の青が合格、赤が不合格となります。
点数(テストなど) 評価ポイント
6 点 ---> +2
5 点 ---> +1
4 点 ---> 0
......................................................................
3 点 ---> -2 ☆
2 点 ---> -4
1 点 ----> -6
これ、信じられます??
例えば試験の点数が 『3点』(約30点あたり)しか取れないと、
評価ポイントは『ー1』ではなくて『ー2』(上の表の☆)、ダブルで減点となるんです!!!
だから、一度テストで『3点』をとると、評価ポイントの『−2』から合格ポイント『0』に回復するためには、
テストで『5点』を二度取らないとダメなんです。
ところがカンティ(高校)で5点をとるのは至難の業。
『4点』は合格点なのですが、この場合『4点』を何度とっても、
評価点は『0ポイント』なので、『−2』ポイントの評価点はいつまでたっても回復しないわけです。
テストは頻繁にあるので、一度のテストで落ち込んでる暇はありません。
それどころか、他のテストで『3点』を再度取ってしまうと、
評価ポイントは『−4』(ー2に−2が加算される)。。。とマイナスが加算されていくんです。
血も涙もありません!!!
科目が違うと先生も異なるので、
先生の横同士の連携は全くといっていいほどありません。
「テストが一週間に4つもあるのはキツすぎる!」と生徒が苦情を言うと、
時々はテストを次の週にしてくれる先生もいるにはいるのですが、
大概は、「そうかぁぁ、大変だね。頑張りたまえ。」で終わるそうです。
だからテストが重なってあろうが、
評価ポイントが低いので辛い時期だろうが、
容赦無く評価ポイントをつけられるんです。
先生に直談判しても、ほとんどは却下されます。
これ、マジできついです。
逆に言えば、いつも『4点』(評価点0ポイント)を取っていれば、
合格となるんですけどね。
1週間に2科目ぐらい継続的にテストがあると、
時間はないし、疲れも出るし、モーチベーションも下がってしまい、
苦手な科目だとなおさら酷い点数を取ってしまうんです。
挙げ句の果てに、酷い点数がうっかり続いてしまうと、
学期末近くになって『ー8 ポイント』やもっと酷いポイントになってしまい、
回復不可能という羽目になる学生も出てきてしまいます。
全く、これを『意地悪』でなくて何と表現するのでしょう!!
3年生が一番大変な時期で、息子くんのクラスの数人は眠れないので薬を飲んでいる子も。
うちの息子くんには幸い、ガス抜きに『サッカー』、
気付け薬に『ピアノ』があるので、なんとか今の所耐えてはいます。
はやく春休みが来てゆっくり休んでほしいです。
うちの息子くんの専攻は『バイリンガルの経済』なもんで、
ほとんどの教科書は英語。
だから余計にテストや授業も多く、みんなもうヘトヘトになっています。
だからこそかもしれませんが、クラスメートは団結していて、仲がとてもいいのは嬉しいことです。
二年生まではパーティーをよくしていました。
今は、こんなコロナの時なので、その楽しみまで奪われて可哀想なんですが、
オンラインで、いつもみんなと繋がっていて、
夜になるとクラスメートと盛り上がっているようです。
病気で学校を休むと、必ず誰かがノートをまとめて送ってくれます。
試験ができないと、どんな試験だったかまで詳細に教えてくれます。
もちろん休んだ人の試験は、同じ試験内容ではないんですけどね。
それもそのはず。
スイスの学校は人との競争ではないんです。
自分自身がライバルというか、自分が合格点に達すればそれでいいんです。
高校受験も定員数で決まるのではなく、
あくまでも試験で合格点が取れるかどうかなんです。
落第の人数も決まっていません。
だから、友達がライバルではないので、助け合いはすごいもんです。
もうすでに七人ぐらいクラスメートが減ってしまっている今、
なんとかみんなで揃って、一人も欠けずに卒業したいんでしょうね。
一生の友達もう見つけた〜って感じです。
うらやましいわぁぁぁ。
学校の授業以外にも色々とアクティビティがあります。
スキー合宿も楽しい時間でした。
高校生はみんな三年生で外国に語学留学に行かなくてはいけません。
それはフランス語でも英語でも、イタリア語でもスペイン語でも何でもいいんです。
3週間、ホームステイか学校の寮に入って外国で勉強するのが卒業の条件です。
息子くんのクラスはバイリンガルなんで、
英語の語学学校に一ヶ月行くことになっていました。
イギリスのオックスフォードの高校で英語を勉強する予定でした。
そこは、うちの夫くんが一ヶ月勉強したところでもありました。
でも、残念ながらコロナ禍のために取り消しとなりました。
多分今年も行けそうもないので、外国語学留学は免除かオンラインとなりそうです。
残念。。。。
四年生になると、二教科ほど少なくなり、
その代わりに卒業論文の準備が本格的に始まります。
卒業論文は何でも構いません。
私の友達の子供は、小さいピアノを手作りで作りました。
そのことに関して、もちろん論文を書きます。
最後にみんなの前でプレゼンテーションを行います。
うちの息子くんは、音楽創作になりそうです。
ピアノでクラシックを弾いていますが、
実は創作はラップです。
歌の上手な友達にも手伝ってもらって歌を担当してもらいます。
今年の秋頃には完成しなくてはいけないので、
夏休みはあんまり遊んでもいられないようです。
そのあと、卒業試験があります。
これが4年生集大成となり、高校卒業には必須の大テストです。
まずは夏休みにオーラルテスト(発表や面接)があり、
来年の春休みの後に筆記のテストが行われます。
これに受かって、晴れて高校卒業の証書がもらえます。
この4年間の高校で勉強したことは、
日本では大学二年生ぐらいまでの勉強内容となるそうです。
だから、大学に入るとほとんど専門教科のみの勉強になります。
ここまでしてやっとこさ高卒の認定証明書がもらえます。
この証明書があると、大学はどこの大学にも受験なしで入れます。
アインシュタインが学生として、そして教鞭もとったETHチューリッヒ工科大学も
『どんな子供にも教育を』の教育実践家ペスタロッチが通ったチューリッヒ大学も、
ジュネーブ大学もベルン大学でも、ルチェルン 大学でも、ザンクト・ガレン大学でも
どこでも行きたいところに行けるんです。
ただし、医大に行きたい学生のみ、試験となります。
これがものすごく難しい。
そこらへんの村の学校で一番だったからって、医大には入れないと言われています。
ところがみんな試験なしで希望の大学に入れても、
一年生の終わりには3分の1の子供が留年となるそうです。
留年は二度許されています。
だからよっぽど自分の興味のあるものを専攻しないと、
たちまち路頭に迷います。
ということは、もうそろそろ息子くんも何を専攻するのか、
はたまた実際に大学に進むのか、、、そう言うことも考えなくてはいけない年なんです。
中学校のときの友達の多くは、
その頃には職業訓練も終わり、しっかりとした社会人となっています。
だからこそ、高校に行こうと決めた子供たちは、
覚悟が必要ということになります。
まったく、その覚悟、、、うちの息子くんにはまだないみたいです。。。
だいたいクラスの半分ぐらいの学生は、勉強をそんなにしなくても
軽々とパスできる天才型です。
そして残りの半分は、いつも必死で戦って付いて行くのがやっと。
いつもドキドキしながら、ヒヤヒヤしながら。。。
そしてもちろん、うちの息子も後者です笑
親の私たちはもう身が持ちません!!
まあ、これからのことも不安ばかりなんですが、
もう乗りかかった船なんで、なんとか高校は卒業してほしいと、
残りの一年三ヶ月を祈るように過ごすしかないです。
本当にスイスの高校事情、、
過酷すぎて、血も涙もないでしょ〜。
日本も違う面で色々大変ですけどね。
せめて、高校生活ぐらい送らせてあげたいなぁぁ、と
スイスの子供たちを見ていて思います。
15歳でもう仕事が始まるってなんだか早い気がしますが、
スイスはずっとこれでうまく経済も回っているのですね。
正直、母親の立場からすると、高校生活を友達とエンジョイしてほしいです。
まあ、勉強が大変で、遊びまわったり、アルバイトをする暇もない生活ですが、
それでも朝から晩までクラスの仲間と一緒にいて、
助け合ったり、喧嘩もしたり、冗談を言い合って笑い合って、、、
そんな時間を少しでも長く過ごしてほしいと、
そんな親心ではありますが、
スイスの高校に行くのなら
親が言うのではなく
子供が自主的に行こうと思わない限り、
高校生活は過酷すぎると思います。
息子、頑張れ〜!
母のできることといえば、
息子くんの好きな日本食を作ってあげることぐらいです。
さて、次回からは、そろそろ美味しいもんシリーズでもお届けしようかな〜。
スイスのスーパーマーケット情報も皆様と約束していますよね〜。
まだレストランやカフェはコロナ感染予防のため、閉鎖しておりますが、
テイクアウトシリーズや、復活祭の美味しいものもご紹介していきたいと思います〜。
これからもよろしくお願いします🙇♂️
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