プロレベルのアスリート向け高性能を実感 チャンピオンシステムの「APEX」 | Ao gasto muito bem puro em....         秋篠宮 佳子

オーダーウェアブランドのチャンピオンシステムは2017年1月1日、ジャージ、ビブショーツのラインナップを一新する。「APEX」(エイペックス)「PERFORMANCE」(パフォーマンス)「TECH」(テック)の3コレクションで構成され、ライダーの用途によって選択ができる。今回、ハイエンドラインAPEXの3種をインプレッション。シリアスアスリート向けに開発された高品質な機能性と特徴を実走で確かめた。

シリアスレーサーが求める性能に応えた「APEX」コレクション Photo: Masami SATOシリアスレーサーが求める性能に応えた「APEX」コレクション Photo: Masami SATO

 APEXは「プロ」、「サマー」、「エアロ」の3種に分類される。素材を細かいパネルごとに切り替え、走る環境にベストマッチしたウェアを選択できる。APEXはUCIワールドチームのランプレ・メリダに供給され、世界最高峰のレースで選手を支えるエキップメントとなった。

幅広い層に適したハイスタンダード

ベーシックでバランスがとれた「プロ」コレクション Photo: Naoi HIRASAWAベーシックでバランスがとれた「プロ」コレクション Photo: Naoi HIRASAWA

 3種のうち「プロ」は最もスタンダードで、バランスのとれたコレクションだ。なるべくバタつきが起きないよう、筆者は身長(175cm)や体格に対してやや小さいSサイズを試用したが、ストレッチが効いて動きやすい。袖口はワイドに幅が取られているため、ずり上がりを防止しつつ、締め付けは感じない。ベーシックなラインで、細部にこだわった品質は、幅広い層のライダーが高い次元でライディングを行うのに適している。

レースで想定されるライダーの動きに応える Photo: Masami SATOレースで想定されるライダーの動きに応える Photo: Masami SATO
ワイドにとられた袖口は、締め付けが無く、ホールド力を確保 Photo: Naoi HIRASAWAワイドにとられた袖口は、締め付けが無く、ホールド力を確保 Photo: Naoi HIRASAWA

風がジャージを通り抜けるのを実感

 通気性と冷却効果を追求したのが「サマー」コレクション。サイドパネルは内部が透けて見えるほど薄い生地を採用している。フロントパネルもメッシュ生地で放熱性を高めている。

柔らかい着心地と優れた通気性をもつ「サマー」 Photo: Naoi HIRASAWA柔らかい着心地と優れた通気性をもつ「サマー」 Photo: Naoi HIRASAWA
側面は内部が透けて見えるほど Photo: Naoi HIRASAWA側面は内部が透けて見えるほど Photo: Naoi HIRASAWA

 伸縮性に優れているため、着心地も上々。実際に走行すると、フロント・サイドパネルでは風が生地を介さずに、そのまま体に達しているようだ。元々、アンダーウェアの「ベースレイヤープロ」で採用されていた生地を各所に用いているため、吸水速乾の機能も期待できる。ファスナーを開け、はだけた状態で走る必要性はなさそうだ。文字通り夏場の活躍が期待されるコレクションで、日本の高温多湿な環境にうってつけの性能だった。

さらに薄く、よりフィット

 「エアロ」は空気抵抗の削減を追及して開発されたコレクション。空気を前面から受ける袖には、細かいディンプル加工が施された生地を採用している。軽量化にも貢献しており、軽やかな着心地も魅力だ。

空気抵抗を抑えた「エアロ」コレクション Photo: Naoi HIRASAWA空気抵抗を抑えた「エアロ」コレクション Photo: Naoi HIRASAWA
ディンプル加工が施された生地を袖に採用した「エアロ」 Photo: Naoi HIRASAWAディンプル加工が施された生地を袖に採用した「エアロ」 Photo: Naoi HIRASAWA

 深い前傾姿勢をとってみたが、優れた伸縮性を発揮し、動きを妨げなかった。バタつきの原因となるシワも最低限で、エアロ効果の高さを実感した。少しもパワーを無駄にすることなく、コンマ1秒でも速く走りたいライダーに向いているだろう。

 APEXのビブショーツは1種類のラインナップ。ハイエンドモデルとあって、細部まで作り込まれた印象だ。履いてみると、シワや隙間ができやすい腰まわりにとてもフィットする。カーボンが織り込まれた生地を使っており、体温調節効果と、適度な着圧でライダーをサポート。太ももの付け根も、パネルの切り替えが優秀で、ペダリングの動きを妨げない。

深い前傾姿勢でも体のラインにぴったりとフィット Photo: Masami SATO深い前傾姿勢でも体のラインにぴったりとフィット Photo: Masami SATO

 裾口の面積が広く取られており、少ない着圧でずり上がりを防止。カーボン素材が含まれる生地も薄手なのでストレスを感じないのが嬉しい。肩紐も柔らかく、ストレッチ性に優れ、ビブショーツ特有の肩への煩わしさはない。

脚や腰のラインに合わせてフィットし、動きを妨げなかった「APEXビブショーツ」 Photo: Masami SATO脚や腰のラインに合わせてフィットし、動きを妨げなかった「APEXビブショーツ」 Photo: Masami SATO
脚から腰にかけてフィット性が高い「APEXビブショーツ」 Photo: Naoi HIRASAWA脚から腰にかけてフィット性が高い「APEXビブショーツ」 Photo: Naoi HIRASAWA

APEXジャージ
税抜価格:14,500円(プロ、エアロ、サマー)

APEXビブショーツ
税抜価格:17,800円

ツボを抑えたミドルグレード

 プロレベルのアスリートが求める性能を誇る「APEX」がある一方、ミドルグレードとして優れた性能を持ち、価格を抑えて登場したのが「PERFORMANCE」コレクションだ。袖部分にスキンスーツに使用されるライクラ素材を採用。高速巡航時でもバタつきを軽減し、空気抵抗を抑えた。「フラットロックステッチ」を採用し、高い耐久性と肌当たりの良さを実現。防水のバックジップポケットや、ジッパー部はリフレクション機能もある。

パフォーマンスシリーズ「プロ」(左)とテックシリーズ「プロ」(右) Photo: Champion System JAPANパフォーマンスシリーズ「プロ」(左)とテックシリーズ「プロ」(右) Photo: Champion System JAPAN

 「PERFORMANCE」コレクションには「プロ」と「サマー」の2つがラインナップ。プロは通気性と耐久性を高い次元で実現し、サマーはより軽量で、風通しが良い生地を採用した。ビブショーツの裾部分にはかぶれにくいシリコングリッパーを使用。肩紐には伸縮性の高い「Dimple Lite」生地を使いストレスを軽減する

スキンスーツに用いられるライクラ素材を使用した袖口 Photo: Champion System JAPANスキンスーツに用いられるライクラ素材を使用した袖口 Photo: Champion System JAPAN
かぶれにくいシリコングリッパーが裾口に採用された「PERFORMANCE ビブショーツ」 Photo: Champion System JAPANかぶれにくいシリコングリッパーが裾口に採用された「PERFORMANCE ビブショーツ」 Photo: Champion System JAPAN

「PERFORMANCE」ジャージ
税抜価格:10,300円(プロ、サマー)

「PERFORMANCE」ビブショーツ
税抜価格:12,800円

スタンダードでロープライスな「TECH」

 最もスタンダードなラインナップながら、耐久性とロープライスを実現したのが「TECH」コレクションだ。「プロ」と「サマー」の2種類がラインナップされ、プロには耐久性が特徴のCS Tech素材が、サマーには伸縮性と通気性が優れたCS AirLite素材が使用される。TECHのビブショーツはカットが見直され、よりフィット感が向上した。

耐久性が高いCS TECH素材を使用 Photo: Champion System JAPAN耐久性が高いCS TECH素材を使用 Photo: Champion System JAPAN
「TECH ビブショーツ」はカッティングが見直され、フィット性が向上 Photo: Champion System JAPAN「TECH ビブショーツ」はカッティングが見直され、フィット性が向上 Photo: Champion System JAPAN

「TECH」ジャージ
税抜価格:7200円(プロ、サマー)

「TECH」ビブショーツ
税抜価格:9000円

 今回インプレッションを行ったのはサンプルカラーなので、実際にはデザインデータの入稿が必要となる。絵の具や色鉛筆を使った手書きのイラストも受け付けており、幅広いユーザーが自由なデザインを楽しめる。発注後は約1カ月でユーザーへ発送されるという。新たにラインナップされる3コレクションはそれぞれ、2017年1月1日からオーダーを受付。早めに注文すれば、春のシーズンインに間に合いそうだ。