兄弟役だった西島秀俊と夫婦に…「え、旦那さん?」という恥ずかしさも
金城氏の前作『CRISIS』にも出演した夫・勇輝役の西島秀俊とは「別の撮影のときに、トレーニングで習った手首のスナップとか避け技を一緒に練習したりしていました」と、大河ドラマ『八重の桜』で兄妹を演じたこともありその関係性は継続。「カメラが回っていないところでも、お兄ちゃんのような感じだったので『え、旦那さん?』みたいな恥ずかしい気持ちもありました。でも逆に、仲が良いからこそ、やりやすくてよかったと思ってます。一話のラストでは、西島さんのスーツをクルッと回して脱がせるという動きがあるのですが、その場面も話し合ったりして、いろいろスムーズにできました」と“夫婦仲”はバッチリだ。
19歳の時に感じた仕事の面白さ、「ここが第二のスタートなのかな」
15歳で芸能界デビューを果たし、現在では女優として確固たるポジションを築いているが「東京に来て、一生懸命やってきたつもりだけど『この仕事面白い』ってやる気になったときにある意味、『ここが第二のスタートなのかな』と思いました。19歳くらいの時ですね。『セカチュー』(『世界の中心で、愛をさけぶ』では、なんか、演技って面白いのかも、と思いました」と10代で迎えた転機についても語った。
今後のドラマの展開としては「毎度毎度みるほどに面白くなります」と自信をのぞかせる。「菜美の生い立ちや、なぜそういう強い女性になったのか、過去の秘密もちょっとずつ明らかになったり、広末さんや本田さんの家庭の問題も見えてきます。観ている人が共感できるメッセージが必ずあります」。まだまだドラマは始まったばかりだが、これが「女優・綾瀬はるかの第二章」と呼べる代表作に育っていくのか、カッコよくてかわいい菜美にワクワクしながら期待したい。
爽快アクションドラマ『奥様は、取扱い注意』プロデューサー、テーマは“欲望の解放”
普遍的なテーマを描く爽快アクションドラマ
普遍的なテーマに視聴者の関心が向いてきている
「水曜ドラマは、観る人が何を求めているのかがハッキリした枠。週の真ん中に放送され、あの時間にドラマを観るという習慣が、ほんの一時、現実から目を逸らすことに繋がる、女性が次の日も明るく生きていくために必要なもの。そんなハッキリとしたイメージの枠で、期待されているものに応えたい、今までに見たことがないものをやってみたい、という想いのバランスを取っていくことにやり甲斐を感じています」
枝見氏が“エンタメ”を意識して制作する同作には、社会問題を取り上げながら、勧善懲悪という物語のわかりやすさもある。振り返れば昨今、高視聴率を取る人気シリーズには、『ドクターX』(テレビ朝日系)のように視聴者の溜飲を下げてスッキリさせる勧善懲悪ドラマや、『コード・ブルー』(フジテレビ系)のような登場人物の成長物語の人間ドラマなど、わかりやすいエンタメ作品が多い。果たして、テレビに求められるものが、多様性から普遍性に立ち返っているのだろうか。
「テレビは多様化に向かい、手の届きそうな親近感のある人や、素人さんが出演する流れもありました。ですが、スポーツもそうですが、自分たちには到底できないことをしている人を観るのはおもしろい。それは、私が子どもの頃に観ていたテレビだった気がします。昨今、確かにそこに回帰したような流れも見えますが、これは同じ流れを繰り返すというより、螺旋階段のように進化していっているのではないでしょうか。また、視聴者の好みが多様化したと言われていますが、いろいろな価値観が出てきたところで、改めて普遍的なものにも関心が向いてきているという気もします」
テレビという環境のなかで新しいものを作り出す意義
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日テレ アックスオン 枝見洋子プロデューサー
「クリエイターを含め、いろいろなスターと最先端の知識が集まっている感じがします。新しいことをやろうとする気概が感じられて、ここ最近、枠の色づきがノッてきている。ただ、日テレの水曜ドラマも、恒常的にノッている枠。これを続けていくのは難しい挑戦でもあるので、自分がやるのは怖さもありますけど(笑)」と心境を明かしてくれた。
「テレビはある意味、とても不自由な環境にあります。枠が決まっていて、ずっと変わらない作り方をしている。ですが、今は低予算でも作れる技術が揃っている。そこで新しいものを作り出す意義を感じますし、この多様化した世の中で、皆のブーム=共通言語になるようなものを制作していきたいと考えています」
水曜ドラマ『奥様は、取り扱い注意』