おはようございます、沙久良です桜咲く

 

久々のじっくりと腰を据えて書くブログは、結構体力使うもんだなぁと思いながら、こんなブログを連日更新し続けていた昔の私は、本当に頑張り屋さんだなと自分で自分を褒めてしまいましたわいいこ

体力もですが、時間もかかる。1本書き上げるのに2~3時間近くもかかる時計 そして、勢いで書き上げた文章をもう一度見直して書き直すのに2~3時間時計

文章をじっくり書く感覚を取り戻すには、もってこいな作業だなぁぱそこん。

 

では、お待たせしました、続きです~太陽

 

 

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先ほどの亡くなってしまった赤ちゃんの叫び声で、他の赤ちゃんも火が付いたように泣き出し、反響して真っ白な空間に響き渡った。けれど、その泣き声などまるでない物かのように男性は微笑んでいるジュエリー☆

 

「あれ?それじゃ食べれないよ?

なら、次の赤ちゃんに食べてもらわないとね。」

 

私の態度など気にもせず、男性はすうっとスプーンを引き、左腕を伸ばして泣いている赤ちゃんを引き寄せ、トントンと軽く手で胸の辺りを叩いてあやしている。その様が、さらに男性の異様さを引き立てた。

 

(人のすることじゃない…。)

 

絶望に身体を震わせながら下を向き、それを呟きそうになって口元が少し緩んだ桜咲く

 

「ん?食べる気になったのかな?」

 

嬉しそうに微笑み、覗き込むように身体をかがめながらスプーンをまた私の口元へと運び、催促するようにツンっとスプーンの先が下唇に当てられ、じらすように軽く左右に撫でられたスプーン

 

(なんのプレイだっ…!)

 

辱めを受けているようで耐えられない。絶望に怒りが勝る。

今すぐにこの男性を目の前から消してしまいたい、その心臓を一突きにするか、首を切り落とすか…と。

けれど、心臓を一突きにするにも、首を切り落とすにも、私は何の武器も持ってはいないし、目だけを動かして周囲を見たが、代わりになるような物もなかった。襲い掛かっても体格差で首すら絞めることも出来ず、ひっぱたくか、急所を蹴り上げるかくらいしかできないだろう。

けれど、人ではない者に果たして急所を蹴るというやり方は確実なのだろうかと考え、

 

(何考えてんだか、私…。)

 

少し怒りと絶望が和らいだ。

 

「おや?」

 

和らいだ私を不思議そうに見る男性、少しスプーンを引いてさらに私の顔を覗き込んだジュエリー☆

 

「覚悟が出来たのかな?偉いね。うん、君はいい子だ。」

 

赤ちゃんをあやしていた手で、今度は私の頭を撫でた。小さな子供を褒めるように優しく、何度も。

 

(人ではないなら、これは何なんだろう…?神でもないから魔物なのかな…?)

 

ゆっくりと顔を上げ、男性を見た。嬉しそうに潤んだ瞳をしているこの綺麗で均整の取れた顔だちは、魔物でもいいから愛されたいと思う女性を引き寄せる疑似餌の様だなと思った。女性だけではない、時に男性も引き寄せるだろう。

 

(本当に美しい者は中性的で、花も宝石も美しい男女のどちらにも例えられる…。)

 

 

 

 

 

この男性を例えるなら、真っ白な雪の中に咲く、雪にも劣らない白さの牡丹の花だ淡花 

それも、木に一輪だけ咲く花ではなく、様々な顔を持つように何輪かの花が咲き、その中の一つだけに、白い花びらの中に赤い筋があるといった感じか。

 

瞳は漆黒、原石を時間をかけて丁寧に丸く磨いて、水を湛えたような潤いのある輝を放つ黒い玉真珠玉

 

魔物はとても恐い容姿をしているのだろうと思われるが、その力が増す度に人の形に近づく。人の形に近づくどころか、神と同じくらいの力を持つ魔物は、神とも見紛(みまご)うほどに美しいダイヤ

 

その美しさで人を惑わすダイヤ

 

けれど、完璧すぎるその美しい容姿は、温かみをまったく感じない。

 

 

 

 

 

そうだ、あの初めに感じた違和感は、完璧なまでに均整の取れた身体にだったな…。)

 

 

 

 

人ならば、思考の癖や姿勢の癖で身体の歪みが生じる。使う部位によって筋肉の付き方が違う。

どんなに美しい人間も完璧な黄金比はない。例え顔は完璧な黄金比であっても、身体は違う。内臓も左右対称にあるのではないのだから、当然のことながら目で見て判らなくとも差があるのだ。

 

 

 

 

 

ならば、この男性の身体はただの魔物が造り上げた、完璧な人の形をした器だジュエリー☆

 
 
 

 

(人ではないなら、言葉など尽くしても伝わらない。命も重みも解らない。それなら……。)

 

 

 

 

 

それなら、成すべき事は唯一つだ。

 

 

 

 

 

 

「…さ……っ」

 

震える唇で一言小さく吐き出す桜咲く

 

「さ?さあどうぞ、かな?」

 

「……さん…っ」

 

「さん?三回数えて君の口の中へと入れたらいいのかな?」

 

「…さんっ…すっ……っ」

 

「す?あ、もしかして、好きって言ってくれたりするのかな?それはすごく嬉しい。」

 

目を閉じ、すうっと息を吸い込んで、

 

 

 

「山水っ!!」

 

 

 

絞り出すように大声で山水を呼び、同時に右手でスプーンを払いのけ、男性を真っすぐに見据えた桜咲く

 

 

 

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続く太陽