引っ越しをしました。最近の話です。

 

理由は、私がどのような家庭で育ったかを近所に知られたくないから。他にも理由はありますが...

 

小さい頃、ある場所に引っ越してきて、それからずっと自分がどんな家庭で育ったかを隠して住んでいました。

 

しかし、家族が高齢になり、ひとりずつ死んでいくと... 町内の当番を私がせざるを得なくなってきました。

 

「お父さんはどんな人だったの?」「どこで生まれたの?」「どうしてここに引っ越してきたの?」という会話をこれからしなければならないと思うと耐え難くなってきたのです。

 

何十年も隠してきたのに... それをおばさんになって嫁にもいけない上に、晒していかなければならないなんて地獄だと思いました。

 

そして

 

住んでいた家は耐震性に問題があること、今後、災害が起きて何かあっても再建できる見込みがないこともあり、引っ越すことにしました。どこかに入居するには、定期的な収入がなければなりません。

 

しかし、現状、お勤めをしていないので、入居させてもらえる見込みはありません。いろいろなものを集めて収入を得ています。

 

とにかく、知り合いを頼って...引っ越すことにしました。今は、家賃を払って住ませてもらっています。もちろん、きちんとした賃貸契約です。無理を言って、人様の生活を侵害しているわけではありません。

 

今でも、引っ越す前の場所に戻る気持ちにはなれませんし、引っ越した後は、とても機密的で鍵もかけられるし安心なんです。田舎独特の風習で、家にだれかいる時は鍵を開けておかなければならないルールがあったんですね。

 

男の営業の人はひっきりなしに来る、近所の高齢のおばさんは話に来る... 逃げたい気持ちばかりでした。

 

これは私に原因がありますが、町内の所属している小さなグループに独身の女性が全くいませんでした。このため、話が合わないし、近所の子どもに話しかけるのが苦痛になってきました。

 

町内がひとつの家族みたいな関係が気持ち悪く、私には耐え難いものでした。よい人ばかりではありませんし、収入格差、家族構成の違いがあるからです。

 

 

嫌なこともあった住まいですが、住めば都。住人たちとの関係さえなければ、愛すべき居場所でした。

 

育ててくれた家族との思い出がたくさんつまっているし、空気も景色も道端の花々も、身体の一部になっていたのです。

 

本当は、あの土地から離れたくなかった。

 

なぜつらくなってしまったのかしら。

 

玄関に営業関係と近所の誰かが来ると、ゾッとしたんです。プライバシーを侵害されているようでした。

 

今住んでいる場所は、施錠は当然、町内の当番もなく、インターホンで営業の人はお断りしています。家賃がかかって、生きていけるのか不安ですが、近隣と家族的な雰囲気がないので、個室にいるような安心があります。シェルターのような... これが本当の自宅という感じです。

 

今までは、トイレとお風呂だけが安心の場所だったような気がします。いいえ、その場所でさえ、流水の音が隣に大音量で聞こえていたはず。夜中に、お風呂に入ったら... 隣の高齢の方に「うるさい」みたいなこと言われました。

 

ここでは、何時にお風呂に入っても... 大丈夫です。

 

プライバシーを守るための引っ越しでした。お金もないのに。

 

田舎は近隣住民が家族ぐるみでなかよし... ではないと思います。腹の探り合いでした。

 

問題は、引っ越しによって... 同居人が発病したこと。

 

引っ越しと病気の因果関係が、ゼロとは言えないんです。

 

これまで常用してきたせ*パ*ゾ*ンを止めた理由は、節約したいから、そしてせ*パ*ゾ*ンに頼っている自分にサヨナラしたかったからと申しています。つまり、家賃が家計を圧迫して、断薬、その後に離脱症状が始まったわけです。

 

前の場所から転居するきっかけは、住人に私の過去を知られたくないから、そして鍵をかけたかったからというのは上述の通り。ただ、最初に言い出したのは、同居人だったんです。家のメンテナンスが体力的に無理だと言い始めていました。

 

たしかに、草むしり、灯油をストーブに給油、掃除、片付けなど無理そうでした。では、分担すればよいでしょと言われるかもしれませんが、家事のやり方がそれぞれ違っていて、同居人には私のやり方が目障りになるんです。体力的に限界が来て、これを全て私にさせようとしたので、草むしりだけは、業者の人に頼もうと言うと、同居人は、「家の者がすべき」だと申しました。

 

これも田舎独特の、自分の家のことは人の手を借りない方針でしょうか...

 

草むしりの最中に出てくる虫と爬虫類は、寿命を縮めます。

 

それに、除草の他にも除雪も私がすべきだと言うようになりました。

 

除雪は子どもの頃からずっとしていたのに、呆れてしまいます。全ての家の管理と近所付き合いと、同居人の老後。

 

さらに、老後資金は一切貯蓄していないという有様。

 

どこまでも誰かに頼ろうとします。

 

一刻も早く、同居人と縁が切れた生活を送りたいです。