奈良県東吉野の特別な場所を訪れました。
そこは「丹生川上神社」と呼ばれる神社です。
この神社には、水の神「みずはのめのかみ」が祀られています。
私は龍笛を持参し、その神に音楽を奉納するために来ました。
神社のまわりは緑の木々に囲まれ、清らかな水の音が響いていました。
私は境内に立ち、「豊栄の舞」という曲を演奏しました。
演奏していると、何か美しいことが起こっているのを感じました。
すると突然、心の中に幻のようなビジョンが浮かびました。
それは、水のように輝く美しい女性が、神社のすぐそばを流れる丹生川から現れる姿でした。
彼女は龍笛の音に合わせるように、ゆっくりと舞を舞い始めました。
その舞は風に揺れる波のように、やさしく、しなやかでした。
演奏のあと、「夢橋」と呼ばれる橋を渡りました。
その橋には、不思議な夢のような感覚が漂っていました。
そして、神社の東側にある滝へと歩いて行きました。
滝の前に立ったとき、再びビジョンが見えました。
それは、一匹の水の龍が滝の中で踊りながら遊んでいる姿でした。
その龍はとても楽しそうでした。
滝の音と、龍の姿を見ていると、私の心は軽くなり、喜びで満たされました。
神様も龍も、私の龍笛の奉納を受け入れてくれたのだと感じました。
それがとても嬉しかったのです。
いつか神社の本殿の中でも龍笛を奉納できたらと願っています。
水の神様のために音楽を捧げたあの感覚を、私は決して忘れません。