パーソナルコーチ Lemurian Record 赤間です。
「世界が自分の住む場所」という超感覚で生きている「どさんこ」の体験をご紹介しています。
地理の授業で聞いた「グリニッジ標準時」の場所に、いつか行ってみたい。
そんな長年の想いを胸に、この日はロンドン中心部のウェストミンスターピアから観光船に乗った。
揺れる水面に空が映り込む。歴史ある街並みを眺めながら、テムズ川を下って「時間の原点」へ向かうなんて、少し夢のようだった。
船はタワーブリッジをくぐり、高層ビル群を横目に進んでいく。
川面をなでる風が心地よく、スピーカーから流れるガイドの英語にも自然と耳が傾いた。
そして1時間後、川の右岸に現れた緑の丘の上に、目指すグリニッジ天文台の赤レンガの塔が見えてきた。
丘を登ってたどり着いたその場所は、1675年にチャールズ2世の命によって創設された「王立グリニッジ天文台」。
もともとは航海のための天体観測と経度測定のために建てられたが、1884年に「本初子午線」がここに定められ、世界中の時間と経度の基準となった。
館内では、19世紀の観測機器が展示されている。
その精密さと美しさに、時を知るという行為がどれだけ人類にとって重要だったかを思い知らされる。
そして、外に出ればお待ちかねの「本初子午線」。
地面に引かれた銀のラインの上に両足を置き、東と西にまたがって記念撮影をするのがここでの定番。
誰もが笑顔で、時空をまたぐこの瞬間を楽しんでいた。
天文台の裏手からは、ロンドンの街並みとテムズ川を一望できるパノラマが広がっていた。
緑の丘の上に立ち、遠くに広がる都市の景色を眺めながら、「私は今、時間の始まりに立っているのだ」と不思議な実感がこみあげてくる。
帰りの船で夕日が川面に反射するのを見つめながら、心は静かに整っていた。
スマホで時間を見る日常に慣れた今こそ、「時間を感じる」という旅は心を豊かにしてくれる。
この旅で得た「小さな宝物」は、「時間」がただの数字ではなく、人々の努力と祈りでつくられてきたという気づきです。
グリニッジは、地球の鼓動と歴史に静かにふれられる場所でした。
(文)Lemurian Record 赤間
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