パーソナルコーチ Lemurian Record 赤間です。

「世界が自分の住む場所」という超感覚で生きている「どさんこ」の体験をご紹介しています。

ずっと憧れていたイギリス・アスコット。

ロンドンの都会では味わうことが出来ない、風味がしっかりついた田舎料理を楽しみにしていた。

今回は古い宮殿のような庭があり、レンガ造りの古風なホテルに宿泊することにした。

ロンドン・パディントン駅からタクシーに乗り、高速道路を50分。

赤茶色の外観にツタのからむたたずまいを見た瞬間、小さな冒険の始まりを確信した。

アスコットのホテルに着くと、暖炉の火がぱちぱちと音を立て、どこか懐かしいような安らぎがあった。

古い木の床は少しきしんだけれど、それもまた風情。

チェックインを済ませて部屋に向かうと、小さな窓からは緑あふれるイングリッシュガーデンが見え、旅の疲れがふっと軽くなった。

このホテルの魅力は、何と言っても食事。

ディナーでは、地元の野菜とハーブで煮込んだラムシチューをいただいた。

素朴なのに深い味わい。

口に入れた瞬間、じんわりと体が温まっていく。

バター香るマッシュポテトとの相性も抜群で、気がつけば完食。

しかし、思い出はそれだけでは終わらなかった。

夜中の2時、突然、けたたましい火災報知器の音。

何が起きたのか分からないまま、パジャマ姿で外へ出ると、庭には同じように寝ぼけた人々がずらり。

ドイツ語、フランス語、英語、日本語、さまざまな言語が飛び交い、皆が薄着で寒さに震えながら、火事ではないことを祈っていた。

パジャマを着ないで、ブランケットにくるまって避難しているペアも中庭に出て来た。

結局は誤作動だったのだが、この「国際的な避難訓練」は、忘れられない事件となった。

短い滞在だったけれど、静かな田園風景の中での素朴な料理、そして異国の人々との不思議な一体感。

旅とは、予定外の出来事も含めて味わい深くなるのだと気づかされた。

またあのホテルで、今度はもう少し長く滞在してみたい。

(文)Lemurian Record 赤間
 

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